島津製作所は,超高速液体クロマトグラフ「Nexera(ネクセラ)シリーズ」の新モデルを発表した。高性能ハードウェアに加えて,IoTや各種センシング技術が取り入れられている。
キャリーオーバーを従来比1/5に低減。また多波長を一度に分析できるフォトダイオードアレイ(PDA)検出器では,独自の光学系温度調整機能により,温度変化の影響を受けにくい安定したベースラインを実現した。さらに同検出器は迷光などのノイズを1/3以下に低減して,吸光度のダイナミックレンジを従来から25%拡大したことにより,従来では複数回に分けて行っていた高濃度主成分と微量不純物の定量分析が1度に行えるようになった。
また,大型タッチパネルを搭載したコントローラにより,PCを置かないラボでも装置の前で操作ができ,スマートデバイスによる遠隔モニタリングも可能。準備作業時にカラム温度に連動して移動相の流量を自動で変化させることにより,カラムへの負荷を軽減する。移動相残量モニタは移動相の残量を常時測定し,必要量に満たない際は作業者にメールで警告したり,スマートデバイスに残量を表示したりすることで,移動相不足による作業中断を回避できる。
さらに設置面積を40%まで減らしつつ,標準的な構成で検体搭載数を従来比1.5倍に増やし,最大3台まで増設可能なプレートチェンジャと組み合わせることで,「超高速&超多検体」分析を実現した。従来2台のLCで実行していた分析を1台のシステムに集約した「デュアルインジェクション機能」は,異なる条件での分析データを1度に取得し,トータルの分析時間を削減可能となった。
同製品は,国内外で企業や研究機関,大学向けに提案する。(’19 3/27)
分析機器・科学機器総合展「JASIS 2025」幕張メッセで開催される
2025年9月3日(水)~5日(金)の3日間,アジア最大級の最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS 2025」(主催:日本分析機器工業会,日本科学機器協会)が幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催され,3日間で19,750名が来場した。