2018年6月6日

「トライボロジー会議2018 春 東京」開催される

アーステック

 日本トライボロジー学会は2018年5月21日(月)~23日(水)の3日間,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で「トライボロジー会議2018 春 東京」(実行委員長:横山 文彦 氏,IHI)を開催,3日間で約200件の各種トライボロジーに関する講演・発表が行われ,800名以上が参加した。

 22日(火)に開催された特別フォーラム「最新浴室ユニットの部材表面性状コントロールについて」では,北角 俊実 氏(TOTO)が,速乾機能を有する浴室用床パネルについて講演。水密・気密性が高いメリットがある反面,時間がたっても乾きにくいという問題点のある浴室ユニットで,水が本来持つ表面張力や水の粘性,部材表面性状や物理形状など床部材表面と,そこを流れ落ちる水の二者間界面の諸条件や作用の組み合わせにより,乾きにくさという浴室の本質的な課題を高次元で解消した技術について紹介した。

 一般講演では,「表面形状・接触」「表面処理・コーティング」「摩擦」「摩耗」「疲労」「境界潤滑」「流体潤滑」「潤滑剤」「摩擦材料」「機械要素」「マイクロ・ナノメカニズム」「シミュレーション」「現象・理論」「分析・評価・試験方法」の分類で学術研究や実用技術に関する各種講演が行われた。また,2017年度日本トライボロジー学会論文賞・技術賞受賞者による受賞講演も行われた。

 シンポジウムセッションは,「テクスチャ:表面テクスチャによるトライボ特性の制御(写真1)」「エンジン:熱効率向上・CO2削減に向けたエンジン(パワートレイン)のトライボロジー」「トライボケミストリー:トライボケミストリーの最前線」「摩耗:摩耗研究会50周年シンポジウム『摩耗研究会50年の歩みと摩耗研究の変遷』」「自動車:自動車軽量化のためのトライボロジー技術」の5つのテーマで開催された。

 22日(火)に開催された第62期定時社員総会では,次期(第63期)役員を選出し,若林 利明 氏(香川大学)が第63期会長に就任した(写真2)。「2017年度日本トライボロジー学会賞」の表彰式では,相原 了 氏,君島 孝尚 氏,橋本 巨 氏の3名が「功績賞」に,また「論文賞」,「トライボロジーオンライン論文賞」,「技術賞」,「奨励賞」,「学生奨励賞」の各賞受賞者が表彰された。

 会期中,企業技術・製品展示コーナー(写真3)が設けられ,約50社が出展,パネルやカタログなどによる各種PRが行われたほか,同コーナーの一角で「企業プレゼンテーション」(写真4)が開催され,SCSK,MORESCO,日本サーマル・コンサルティング,エリオニクス,堀場製作所,東芝ナノアナリシス,アントンパール・ジャパン,アネスト岩田,東京理科大学 トライボロジーセンター,喜多村が,企業や製品の紹介を行った。

 「トライボロジー会議 2018 秋 伊勢 ~古の 時を感じて トライボの 未来がミエる この伊勢で~」は,2018年11月7日(水)~9日(土)の3日間,伊勢市観光文化会館(三重県伊勢市)での開催を予定している。

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