独・ランクセスは2018年4月17日,都内で2017年度業績に関する記者説明会を開催した。辻 英男 社長は「米・特殊化学品会社・ケムチュラ吸収により,2017年度通期連結売上高(グローバル)は96億6000万ユーロに達し,過去最高の売上と利益になった」と,合併によるシナジー効果を強調した。
2017年度業績(グローバル)は,連結売上高96億6000万ユーロ(前年同期比25.5%増/日本円:約1兆2700億円(1ユーロは132円で換算)),EBITDA(利払い・税引き前・原価償却前利益)12億9000万ユーロ(同29.6%増/同:約1700億円/特別項目を除く),純利益3億7900万ユーロ(同53.9%増/同:約500億円/同)と,過去最高の増収・増益。旧ケムチュラ統合効果により,原材料高騰などのマイナス要因を吸収し,全ビジネス・ユニットで好調さを示した。
日本も同様に全ビジネス・ユニットで前年同期を上回る伸びを示し,売上高約2億5000万ユーロ(同:約333億円)を達成した。旧ケムチュラの潤滑油や,難燃剤の添加剤事業統合が要因。
同年度の地域別売上構成比は,EMEA(ドイツを除くヨーロッパ及び中東,アフリカ)とアジア・パシフィックが最大でそれぞれ28%,北米19%,ドイツ16%,ラテンアメリカ9%と続く。辻 社長は「従来,ドイツ,ヨーロッパ地域が基盤であったが,現在はアジア,北米で約半分以上のシェアを占める。アジア,北米,欧州のバランスが取れるようにしたい」と語った。
事業別(グローバル)では,アドバンスト中間体部門は,売上高19億7000万ユーロ(前年同期比13.1%増),EBITDA 3億3500万ユーロ(同2.8%増/特別項目を除く)。旧ケムチュラの添加剤事業統合が大きく寄与した。スペシャリティアディティブス部門は,売上高16億ユーロ(同90.7%増),EBITDA 2億6700万ユーロ(同76.8%増/同)。旧ケムチュラ添加剤事業が大きく貢献。パフォーマンスケミカルズ部門は,売上高14億4000万ユーロ(同10.5%増),EBITDA 2億5200万ユーロ(同13%増/同)。販売量増加に加え,2016年度に米・ケマーズ社から買収した衛生・消毒用特殊製品事業が貢献した。エンジニアリングマテリアルズ部門は,売上高13億7000万ユーロ(同29.4%増),EBITADA 2億1900万ユーロ(同37.7%増/同)。旧ケムチュラのウレタン事業とともに,製品価格の値上と販売量増加が要因。アランセオ部門は,32億3000万ユーロ(同19.2%増),EBITDA 3億8500万ユーロ(同3.2%増)。
なお,アランセオ部門は,ランクセスとサウジアラビア国営石油会社・サウジアラムコ社との合弁会社。両社合意の下,2019年4月からはランクセスの非継続事業として,その他の4事業部門とは切り離し,連結決算の一部として報告される予定。(’18 5/16)
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