2017年6月7日

NTN,「高速回転対応プーリ用軸受」を開発

アーステック
共催セミナー

 NTNは,軸受内部の設計および構成部品の最適化により,外輪回転で1分間に20,000回転まで対応可能なプーリ用軸受を開発した。
 同製品は,保持器とシールを回転遠心力に対応する設計にしたことで,高速回転時のシールリップ部の発熱や,保持器の変形を抑制し,同社従来品比約1.3倍となる1分間に20,000回転まで対応が可能となった。また,グリースも低温特性に優れた仕様とすることで,低温時でのグリース硬化を防ぎ,軸受の外輪とプーリが振動する冷時異音の発生を抑える。さらに,軸受の破損原因の1つである脆性はく離に対し,破損の進行を抑制するグリース添加剤の採用や,軸受軌道輪の熱処理の工夫により,低温特性を向上しながら耐脆性はく離特性を維持している。シール形状やグリース基油,軸受の内部諸元を最適化することで,シールにかかるトルクとグリースの撹拌抵抗を抑え,回転トルクも同社従来品比10%低減を実現した。
 自動車エンジンの補機ベルトに用いられるプーリ用軸受は,近年のダウンサイジング技術によるエンジンの小型化やISG搭載車の増加などによって,エンジン補機類のレイアウトが複雑化し,使用されるベルトおよびプーリ用軸受の設置レイアウトの制限が大きくなっている。プーリ径を小さくすれば設置レイアウトの幅を広げられるが,プーリ径を小さくすると,プーリ用軸受には高速回転性能が求められる。また,自動車の快適性や信頼性向上を目的に,プーリ用軸受には冷時異音や低トルク化に対するユーザーニーズが高まっており,さらなる高機能化も求められている。(’17 6/7)

Related Posts

砥粒加工学会 次世代固定砥粒加工プロセス専門委員会,第114回研究会を5/10に開催

砥粒加工学会 次世代固定砥粒加工プロセス専門委員会,第114回研究会を5/10に開催

砥粒加工学会 次世代固定砥粒加工プロセス専門委員会は,2024年5月10日(金),千葉工業大学津田沼キャンパス(対面:千葉県習志野市)とCisco Webex Meeting(Web)のハイブリッド形式で,第114回研究会「エネルギービーム加工による高精度・平滑化技術」を開催する。

Share This