2017年3月29日

メンテナンス・トライボロジー研究会,創立30周年記念シンポジウム開催される

アーステック
共催セミナー
日本トライボロジー学会の第3種研究会「メンテナンス・トライボロジー研究会」は2017年3月8日(水),東京理科大学 神楽坂キャンパス(東京都新宿区)にて,同研究会創立30周年を記念したシンポジウム(写真1)を開催し,約100名が参加した。 冒頭,同研究会主査の若林 利明 氏(香川大学;写真2)は「記念シンポジウムの開催にあたって」と題し,1986年第1回研究会設立時からの活動経緯や最近10年間の活動として日本機械学会・日本設備管理学会との連携による「メンテナンス関係合同研究会」の共同開催や「評価・診断に関するシンポジウム」開催への協力,「COMADEM2010」の開催協力など関連する他学会等との協力や「機械状態監視診断技術者(トライボロジー)の創設などを紹介した。今回のテーマである「~メンテナンス・トライボロジーの軌跡と次なる飛翔をめざして~」について,あらゆる資源の徹底的な有効活用を使命に環境の世紀にふさわしい新技術などの軌跡や現状,今後の課題などを発表し,「次なる飛翔と発展を目指していきたい」と述べた。 特別講演では,歴代の主査である木村 好次 氏(東京大学・香川大学 名誉教授)と,似内 昭夫 氏(トライボロジーアドバイザー)が登壇した。 木村 氏は「メンテナンストライボロジーは何処へ向かうのか」と題し,予知保全と遠隔支援による総合メンテナンスとしてIndustrial InternetやIndustrie 4.0の実用による状態監視システムの実例を交えて紹介した。「これまで日本のメンテナンスは人の能力に依存する意識が強かったが,今後はメンテナンス手法選択の自由度が増えたことを理解し,従来の日本流のメンテナンスを再評価するとともに,どこへ,どのようにIoTを導入すべきか,せざるべきかを考える必要がある。メンテナンスの様態が変われば,トライボロジーに求められる寄与も重点が変わることを考えておくべき」と述べた。 似内 氏は「メンテナンストライボロジーについて考える―研究会への提案―」と題し,メンテナンストライボロジー(MT)は,トライボロジーの成果を有効に活用し,また信頼性工学の手法を取り入れて,機械設備の企画・設計・製造・運用を行うこととしたMTの概念や概念図(AREA MAP)を紹介した。「MTはトライボロジーの中でも特に現場技術の向上に寄与することが求められている領域。MTの技術伝承のため資格認定制度や大学の学術的な体系化やカリキュラムを進め,一人でも多くの現場の技術者達がトライボロジーの効能・価値を認識・理解してもらえることを願っている」と今後への期待を述べた。 合同研究会を共同開催している日本機械学会の「診断・メンテナンス技術に関する研究会」主査の川合 忠雄 氏(大阪市立大学),日本設備管理学会の「最新設備診断技術の実用性に関する研究会」主査の陳山 鵬 氏(三重大学)が「記念シンポジウムに寄せて」と題して研究会や技術動向を紹介,またそのほかに6件の一般講演が行われた。 最後に研究会幹事の藤井 彰 氏(新日鐵住金)が「今後も研究会のメンバーやメンテナンスに携わる方々とともに最適なメンテナンスのあり方について考えていきたい」と締めた。一般講演の講演内容は以下のとおり。
  • 「メンテナンストライボロジーにおけるAE研究の歴史と動向」 長谷 亜蘭 氏(埼玉工業大学)
  • 「回転軸の高確度AE計測と高精度信号解析」 小熊 規泰 氏(富山大学)
  • 「非線形超音波法による接触型損傷の検知」 増田 新 氏(京都工芸繊維大学)
  • 「潤滑油の新還元添加剤による自動車と産業機械用における合成油寿命延長の考察」 里永 憲昭 氏(崇城大学)
  • 「表面テクスチャリングの特性と使い方」 是永 敦 氏(産業技術総合研究所)
  • 「プロアクティブ・メンテナンスとトライボロジー」 本田 知己 氏(福井大学)  (’17 3/29)

Related Posts

Share This