2021年3月18日(木),トライボロジー研究会 第31回講演会(運営委員長:杉村 丈一 氏,九州大学教授)が初めてWeb会議システム(Zoom)を使用したオンライン方式で開催され300名以上が参加した。
同研究会は協同油脂が支援している活動で,昨年はcovid 19の影響で開催が中止となった。令和の時代の研究会の幕開けとなる今回は「シミュレーションを取り入れたトライボロジー技術」がテーマとなった。
担当運営委員の西岡 岳 氏(福井工業大学 教授)は今回のテーマについて次のように説明した。「様々な製品のトライボロジー開発現場において,数値シミュレーションの活用が進められており,その手法や工夫は他の製品活用にも参考になるものと思われる。近年の分子・原子レベルのシミュレーション技術の進歩は将来,摩擦摩耗の本質が明らかになるものと期待される。」
今回の講演会では,各分野で取り組まれている数値シミュレーション技術のトライボロジーへの適用に関する以下の講演が行われた。
- KEYNOTE SPEECH
- 「分子シミュレーションでわかる目から鱗のトライボロジー」鷲津 仁志 氏(兵庫県立大学)
- CASE STUDY:SESSION I「物質のふるまいを解き明かす」
- 「グリースEHL解析技術―低速域における厚膜形成メカニズム―」相馬 実波 氏(協同油脂)
- CASE STUDY:SESSION II「システムを解きほぐす」
- 「内燃機関潤滑計算の現状と課題」村上 元一 氏(トヨタ自動車)
- 「空調用コンプレッサの数値シミュレーションによる高信頼性設計」伊東 安孝 氏(東芝)
- 「軸受動解析システムの開発」大島 吉雄 氏(ジェイテクト)
- CASE STUDY:SESSION III「解いて裏付ける」
- 「往復摺動すべり軸受の非定常油膜解析」東谷 裕子 氏(デンソー)
- 「冷間圧縮機におけるチャタリング防止のための潤滑制御システム」藤田 昇輝 氏(JFEスチール)
- 特別講演
- 「金融ビジネスにおけるシミュレーションの活用―年金資産運用を例に」臼杵 政治 氏(名古屋市立大学) (’21 3/31)
杉村運営委員長
西岡運営委員