ドイツの特殊化学品メーカー,ランクセスの日本法人ランクセス(代表取締役社長:米津 潤一 氏)は,2026年4月17日(金)に都内で2025年度の事業報告と2026年度の展望について記者説明会を開催した(写真1)。
米津 社長は,2025年度の連結業績は,売上高が前年比10.9%減の56億7,300万ユーロ,特別項目を除くEBITDAは前年比16.9%減の5億1,000万ユーロとなったことについて,「ほぼすべての顧客産業における需要低迷,アジアからの価格圧力,原材料価格の下落,そしてウレタンシステムズ事業の売却に伴う収益貢献の消失などが主な要因」と説明した。
一方で,財務面ではウレタンシステムズ事業の売却益を負債削減に充てたことで,純有利子負債は2025年末時点で20億2,300万ユーロ(前年比15.0%減)まで圧縮している。これにより,かつての主力であったポリマー事業からの撤退と,特殊化学品メーカーへのトランスフォーメーションが完全に完了した。
2026年通期の見通しについては,特別項目を除くEBITDAは4億5,000万~5億5,000万ユーロの範囲になると予測する。世界的な需要低迷や地政学的な不確実性は依然として大きいものの,ドイツ政府によるインフラ投資刺激策などを背景に,早ければ2026年下半期からの市場回復を見込んでいる。
日本市場において,同社は「スペシャリティ市場」への注力を継続しており,2025年度は厳しい環境下でも前年比で微増の業績を達成した。今後は半導体分野では5つのビジネスユニットが連携し,エッチングや純水製造,腐食防止など,製造の各段階をサポートする包括的な化学ソリューションを提供する。また潤滑油添加剤(LAB)部門からは新たに,化粧品やパーソナルケア製品向けに高品質で生分解性に優れた特殊エステル「コスメリン(Cosmelin™)」を中心に,シリコン代替品としての需要を取り込む。
持続可能性への取り組みも加速させており,2025年度にはスコープ1および2の排出量を2004年比で73%削減した。CDPによる「気候変動」分野での最高評価「A」の獲得や,エコバディスによる上位5%のゴールドメダル評価など,外部機関からも高い評価を得ている。潤滑油添加剤分野においても,持続可能な製品ブランド「スコープブルー(Scopeblue®)」の展開を進めており,環境対応と高性能を両立させた製品提案を継続する。(’26 5/13)








