2026年3月4日

トライボコーティング技術研究会,第18回岩木賞贈呈式とシンポジウムが開催される

トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整氏,理化学研究所)は,2026年2月20日(金)に,理化学研究所 和光研究所 鈴木梅太郎記念ホール(埼玉県和光市)およびオンラインによるハイブリッドにて,第28回シンポジウム「トライボコーティングの現状と将来」,および第18回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)の贈呈式と受賞者による記念講演を開催した。

岩木賞は,表面改質,トライボコーティング分野で多大な業績をあげられた故・岩木 正哉 博士の偉業をたたえ,当該技術分野およびその関連分野において日々努力・研鑽する個人,法人,団体の業績を表彰するもので今回18回目を迎えた。

今回の表彰では,大賞1件,優秀賞1件,環境賞1件の計3件で,審査委員長を務めた大森 会長によると例年通り10月に書類審査が行われ,11月の面接審査を経て,実用化レベルや社会的な貢献度が極めて高い業績が選定された。

○大賞:TOTO
「水垢汚れを抑止するDLCコーティング技術とそれによる浴室鏡の開発」
 浴室鏡の課題であった「水垢汚れ」を,ダイヤモンドライクカーボン(DLC)10nmという極薄のDLC膜を施すことで,鏡としての視認性を維持しつつ,ケイ酸の固着を抑制することに成功した。開発においては,水素含有率の最適化により,浴室環境での親水性維持と紫外線を伴う過酷な環境下での耐久性を両立させている。また,最大2mの大判鏡にも対応した高密度プラズマによる高速成膜装置を開発し,累計200万枚以上の量産を達成した点も高く評価された。

○優秀賞:宇都宮大学 鄒 艶華 氏
「磁気研磨法による微細複雑形状部品の表面仕上げ技術の開発」
 半導体分野や3D造形部品で求められる,微細・複雑形状部品の高精度な表面仕上げ技術に関する研究。従来の研磨法では困難であったエッジ部や溝,配管内面の仕上げに対し,交番磁場を利用した新たな磁気研磨法を開発した。この手法は,変動する磁場によって研磨スラリー中の磁石粒子の姿勢や圧力を常に変化させることで,加工対象にダメージを与えることなく,効率的にナノレベルの平滑面を得る。27年間にわたる継続的な研究が実を結び,複雑な内面の仕上げなど,産業界の難課題を解決する技術として期待される。

○環境賞:コニカミノルタジャパン,日本食品化工,新東科学,ハイロックス
「計測試験技術を駆使した新しいバイオマスプラスチック材の車体部品への適用促進技術の構築」
 本年度より新設された環境賞の第1号として,コニカミノルタジャパン,日本食品化工,新東科学,ハイロックスの4社による共同開発が選出された。自動車内装部品の樹脂化において,傷や白化現象が課題となっていたが,日本食品化工が開発したでん粉含有バイオマスプラスチック「スタークロス」を定量的に数値化・評価する手法を確立した点にある。異業種連携により,環境に優しい新素材の車載採用を促進する評価基盤を構築した独創性が評価された。  (’26 3/4)

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