NOKとイーグル工業は2025年11月10日(月),2026年10月に経営統合することで合意したことを発表した。共同株式移転の方法で2026年10月1日(予定)に両社の完全親会社となる共同持株会社「NOK Group株式会社」を設立,両社は上場廃止して持株会社の完全子会社となる。株式交換比率はNOK1株,イーグル工業1株それぞれに対して持株会社の株式1株を割り当てる。
NOKは,1941年にゴム製オイルシールの製造・販売を行う日本ベアリング製造株式会社として創立され,以来,日本の自動車産業のみならず,一般産業機器全般に必要不可欠なシール製品をグローバルに供給してきた。また,1969年に日本メクトロン株式会社(現在のメクテック株式会社)を設立して以来,カメラ,パソコンや携帯電話,スマートフォン,データセンター需要拡大に加え,車載二次電池の電圧監視用部品など,エレクトロニクス製品の普及や小型化に不可欠なフレキシブルプリント基板の開発・供給を継続してきた。
イーグル工業は,1964年にNOKのメカニカルシール製造部門が独立し,日本シールオール株式会社として設立。以降,半世紀以上にわたり,メカニカルシールをはじめとした機器製品の素材から製品までの開発と生産・販売を通じ,各産業ならびに社会の発展に貢献すべく事業を拡大し,自動車・建設機械,一般産業機械,半導体,舶用,航空宇宙の5つの事業分野における,メカニカルシールの総合メーカーとしての地位を確固たるものとしている。
両社の事業上の関係においては,日本国内の自動車向け製品の販売において,NOKがイーグル工業の自動車向け製品の販売代理店を担う営業上の取引や,原材料購入ならびに人事交流と一定の関係性を継続してきたが,取り巻く事業環境は,両社の主要なマーケットである自動車業界をはじめ,気候変動対策としてのカーボンニュートラル実現に向けた各分野での取組みが進むなど,両社は,次世代モビリティ・次世代エネルギー市場に向けた環境・省エネに資する新製品の開発や海外への更なる販路拡大といった重要な課題を共有している。
また,NOKの主力製品であるオイルシール,イーグル工業の主力製品であるメカニカルシールは,その材質等,製品機能の観点から,両社独自の研究開発,生産,販売等のビジネス活動を進めてきたが,これらの事業環境の変化を踏まえ,両社の将来の在り方を真摯に協議した結果,回転機械の軸封部の「封じる=シール」機能に関しては,総合的な観点において「シーリング・ソリューション」という点で共通しており,これらを統合することで更なる顧客満足度の向上と両社の各事業分野における課題解決へ繋がる製品・サービスの提供が期待できるとの結論に至った。そのためには,これまで以上の事業上の関係を深めるべく,グループ一体となった経営体制を構築することこそが両社の企業価値向上に資するとの認識が一致し,共同持株会社の設立による本経営統合について最終的な合意に至った。
同経営統合によるシナジーについては,グループ資源の最適化による更なる事業成長,効率的事業運営による収益力の強化,より効果的な経営資源の配分,を挙げている。(’25 11/19)








