2024年6月19日

「トライボロジー会議2024 春 東京」開催される

アーステック
メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2025
'25 7/23~25
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025
出展者募集中!

日本トライボロジー学会は2024年5月27日(月)~29日(水)の3日間,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で「トライボロジー会議2024 春 東京」(実行委員長:小山田 具永 氏,日立製作所)を開催,3日間で約180件の各種トライボロジーに関する講演・発表が行われ,約900名が参加した。

一般講演,一般シンポジウム,特別フォーラム

一般講演は,「境界潤滑」「シミュレーション」「潤滑剤」「トライボケミストリー」「表面・接触」「表面処理・コーティング」「疲労」「分析・評価・試験方法」「摩擦」「摩擦材料・固体潤滑」「摩耗」「メンテナンス」「バイオトライボロジー」「流体潤滑」の分類で学術研究や実用技術に関する各種講演が行われた。また,2023年度日本トライボロジー学会論文賞・技術賞受賞者による受賞講演も行われた。

シンポジウムセッションは,(1)トライボロジー技術へのAIの活用(写真1),(2)トライボロジー界面における最新の計測・解析技術の進展のテーマでそれぞれ開催。(1)トライボロジー技術へのAIの活用では,鷲津 仁志 氏(兵庫県立大学)が「トライボロジー技術へのAIの活用を考える研究会での活動総括と今後の取り組み」,沓澤 京 氏(東北大学)が「ロボットの運動制御における深層学習の応用」,杉村 丈一 氏(九州大学)が「トライボロジーにおけるAI:科学と学習」,本田 知己 氏(福井大学)が「畳み込みニューラルネットワークを用いた分析フェログラフィ画像解析」,村島 基之 氏(東北大学)が「深層学習を用いた摩擦・摩耗推定技術とAIを用いた変形表面制御による新しい機能性」,義久 順一 氏(IHI)が「機械学習を用いた高温下における摩擦・摩耗特性の予測」,野間 央 氏(東京工業大学)が「機械学習を用いたトライボフィルムの化学分析と摩擦面の形状測定による摩擦係数の推定」,木之下 博 氏(兵庫県立大学)が「畳み込みニューラルネットワークを用いたPOM摩擦界面その場観察像からの摩擦力推定」のテーマでそれぞれ講演した。

シンポジウムセッション-トライボロジー会議2024 春 東京
写真1 シンポジウムセッション

28日(火)に開催された特別フォーラムでは,寺田 努 氏(神戸大学 大学院工学研究科 電気電子工学専攻 教授)が「ウェアラブルデバイスが切り拓く人間とコンピュータの新たな関係」のテーマで講演。講演者らの研究グループがこれまで取り組んできた,常時コンピュータを装着するウェアラブルコンピューティングを実現した世界を見据えての健康管理やエンタメなどの実践的な応用技術について解説し,人間とコンピュータの新たな関係について議論した。

第68期定時社員総会・学会賞授賞式

28日(火)に開催された第68期定時社員総会では,2023年度(第68期)事業報告と会計報告,2024年度(第69期)事業計画について説明。その後,名誉会員として牧野 武朗 氏(三菱重工業)が推薦され,いずれも承認された。次期(第69期)役員選任では,江上 正樹 氏(NTN)が第69期会長に就任した。副会長は佐々木 信也 氏(東京理科大学),村上 元一 氏(トヨタ自動車)が就任,常務理事は中 道治 氏が再任となった。

江上 新会長(写真2)は就任の挨拶で,「学会には,会員サービスの充実による会員メリットの向上,本会のプレゼンス向上,学会運営の効率化と財政の更なる健全化の三つの課題があります。それらを踏まえて,皆様のご協力,ご支援を賜りながら,理事の皆様と力を合わせて少しでも学会の活動に貢献できるようにしていきたいと思っております」と述べた。

江上新会長-トライボロジー会議2024 春 東京
写真2 江上新会長

総会後,2023年度日本トライボロジー学会賞の表彰式が行われ,三宅 譲治 氏,木川 武彦 氏,有田 正司 氏,村上 輝夫 氏の4名が受賞した功績賞,および論文賞5件(17名),技術賞4件(15名),奨励賞5名,今年度から新設された教育貢献賞1件の表彰と学生奨励賞4名の受賞者の報告が行われた(写真3)。

教育貢献賞-トライボロジー会議2024 春 東京
写真3 教育貢献賞

企業技術・製品展示会

会期中,展示会場では,企業技術・製品展示コーナー(写真4)が設けられ,56社が出展,パネルやカタログなどによる各種PRが行われたほか,展示会場内で企業プレゼンテーションが開催され,Rtec-Instruments,アントンパール・ジャパン,DIC,デュポンジャパン,トリニティーラボ,ナノフィルムテクノロジーズジャパン,ニッペコ,日本化学産業,日本サーマル・コンサルティング,ニュートンワークス,パーカー熱処理工業,パーク・システムズ・ジャパン,BASFジャパン,物産フードサイエンス,ブルカージャパン,堀場製作所,山産,レスカの計18社が,企業や製品についてプレゼンテーションを行った(写真5)。

企業展示-トライボロジー会議2024 春 東京
写真4 企業展示
ランチョンセミナー-トライボロジー会議2024 春 東京
写真5 ランチョンセミナー

また,展示会場では,VRゴーグルを装着してトライボロジーが学べるVR空間を体験できるVR体験コーナー企画(写真6)が催され,多くの参加者で盛況となった。なお,今回のVR企画で使用したメタバース空間全体を探索したYoutube動画『【LIVE】摩擦の世界を楽しく探検しよう!【トライボロジーワールド探検】』が下記URLより閲覧できる。

【LIVE】摩擦の世界を楽しく探検しよう!【トライボロジーワールド探検】(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=SdnZOKjCor0  (’24 6/19)

VR体験コーナー-トライボロジー会議2024 春 東京
写真6 VR体験コーナー

Related Posts

スペシャリティ・ケミカルズ専門商社のボド・メラー・ケミー社が日本法人を設立

スペシャリティ・ケミカルズ専門商社のボド・メラー・ケミー社が日本法人を設立

高性能接着剤,熱硬化プラスチックや潤滑剤,コーティング剤などスペシャリティ・ケミカルズ専門商社大手のボド・メラー・ケミー社(Bodo Möller Chemie GmbH・ドイツ)は2024年10月28日,都内で日本法人ボド・メラー・ケミー・ジャパンを設立したことを記者発表した。

Share This