三洋化成工業は,再生可能炭素に特化した英国のディープテクノロジー企業であるエコニックと覚書を締結した。今回の締結に伴い,同社は,持続可能で高機能なポリウレタンに使用すべく,エコニックのCO₂ポリオールの製造技術を評価していく。両社はポリオールの製品開発やエコニックのCO₂利用技術の活用を進めることで,バリューチェーンの脱石化を図り,三洋化成の重点分野であるカーボンニュートラルの向上を目指す。
カーボンリサイクルは,CO₂を持続可能な炭素源として活用する技術で,カーボンニュートラルを実現するキーテクノロジーとして期待されている。エコニックはCO₂をポリオールの骨格に組み込む独自の触媒とプロセス技術を有しており,その技術を使用すれば,カーボンフットプリントを最大30%削減することが期待できる。さらにエコニックのCO₂ポリオールを製造する技術は,既存の製造工場を活用することで製造プロセスの低コスト化が実現でき,性能とコストを犠牲にすることなく実用化につなげることができる。
三洋化成は,エコニックの技術を今後数年以内に事業化すべく評価を進めていく。さらに,同ポリオール技術をポリウレタン以外にも活用し,新たな持続可能な取り組みへの起点としていく計画である。(’24 6/19)