日本精工(NSK)は,風力発電機の建設やメンテナンスのコスト削減に貢献し,大型化・洋上風力発電普及を支える「風力発電機用次世代高負荷容量円すいころ軸受」を開発した。
近年,脱炭素の推進により風力発電市場は拡大傾向にあり,その中でも,風力発電機の発電効率向上が一層求められており,より大型の風力発電機や洋上風力発電機の開発が加速している。発電機の建設・輸送コストやメンテナンスコストの低減への要求も高まっており,風力発電機に搭載される軸受には長寿命化・軽量化が期待されている。
同製品は,同社の解析技術・生産技術により,ころのクラウニング形状の最適化に成功。従来比で約25%の負荷容量向上により,従来比2倍以上の長寿命化を実現した。また,従来品では,高荷重負荷時に過大かつ不均一な接触面圧が発生するため,軸受のサイズを大きくする必要があったが,同製品では,接触面圧を均一化したため,サイズアップが不要となり,従来品と同等の使用条件において約30%以上の軽量化を実現する。
同製品は,欧州大手風力発電機メーカー向け15MWクラス洋上風力発電機の増速機に採用が決定し,2024年度に量産納入を開始する。また,中国市場向けにも2024年度に納入を開始する予定。同社では,同開発品について2026年までに年間40億円の売上を目指すとしている。(’24 3/6)