出光興産と中国高圧コンクリート工業が連携して実施する「コンクリートスラッジを用いた炭酸塩化反応の高度化」研究が,広島県の2023年度「広島県カーボンリサイクル関連技術研究開発支援事業」に採択された。
炭酸塩(合成炭酸カルシウム,以下,合成炭カル)は,産業廃棄物に含まれるカルシウムとボイラー等の排ガス中のCO₂を反応させて製造することができる。出光は,合成炭カル化技術の開発と実用化に取り組んでおり,製造した合成炭カルをアスファルト混合物資材として,従来使用されている粉砕石灰石(天然炭酸カルシウム)に代えて使用することによって,道路へのCO₂固定化を実現するとともに廃棄物の有効活用への貢献を目指している。中国高圧は,産業廃棄物であるコンクリートスラッジとCO₂の排出量を削減することを目的とし,ボイラー排ガス中のCO₂とコンクリートスラッジから合成炭カルを製造する,カーボンリサイクル技術の導入検討を進めている。同研究により出光興産と中国高圧が連携することで合成炭カル製造技術におけるCO₂固定化率や経済性の向上などの高度化を図る。
両社は,同研究を同支援事業に応募し,広島県より採択通知を受領した。期間は2023年10月1日~2025年9月30日の予定。(’23 11/29)