日本トライボロジー学会 会員提案研究会(旧第3種研究会)のメンテナンス・トライボロジー研究会(主査:本田 知己 氏,福井大学)は,2023年10月27日(金),神鋼造機(岐阜県大垣市)とオンライン配信のハイブリットにて第98回研究会を開催した。
メンテナンス・トライボロジー研究会は,動機械システムのメンテナンスをトライボロジーの視点からみて,故障や異常の原因の解明,それらへの対応などについて情報交換を行うこと,また,メンテナンス技術を学問として確立し,工学・技術分野の総合的な発展に寄与することを目的として活動している。
本田 主査による開催挨拶の後,「神鋼造機におけるトライボロジー試験機の歴史,製品紹介」と題し,世一 昭治 氏,山川 博司 氏,渡辺 健明 氏,篠原 初目 氏から,神鋼造機がトライボロジー試験機を手掛けるきっかけとなった(故)曽田 範宗 氏(東京大学名誉教授)を始めとする人脈や曽田式四球試験機の開発など歩んできた歴史の紹介,「新たに開発したオールインワンパッケージ型の四球試験機(LUBRISTER)の特長」などを紹介した。
今 智彦 氏(福井大学)から「潤滑油の劣化診断とトライボロジー特性」と題し,潤滑油の劣化を現場で簡易に診断可能な色相解析による劣化診断法について研究成果などを紹介,間野 大樹 氏(産業技術総合研究所)からは「往復動型摩擦摩耗試験機によるDLC膜の耐荷重能評価」と題し,摩擦摩耗特性に優れたトライボコーティングであるダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の評価手法として往復動型の摩擦摩耗試験機とステップ荷重の条件を組み合わせたDLC膜の耐荷重能評価手法を紹介した。
講演後は工場や試験機テクニカルセンター 受託試験保有設備の見学,技術交流会などオンラインでは出来なかった4年振りのリアルでの見学や交流会となった。(’23 11/22)