ポリプラ・エボニックのバイオガス用分離膜「SEPURAN® Green」が,東京ガスエンジニアリングソリューションズのバイオガス精製設備に採用され,鹿児島市の南部清掃工場内で順調に稼働している。
2050年までのカーボンニュートラル化に向けて,都市ガス各社はバイオガスの導入も積極的に検討を進めている。国内ではバイオガスは発電に使われることが多いが,都市ガスの原料にすれば貯蔵しやすく,無駄なく活用できるメリットがあり,海外では既にCNG車の燃料や都市ガス代替として導管注入されているケースが多く存在する。「SEPURAN® Green」膜は,高い分離性能と処理能力を兼ねた分離膜として,高い生産性を持つ事から,既に海外では700件以上の導入実績がある。膜分離は他の分離技術に比べて,運転に必要なエネルギーが少なく,ランニングコストが安く,単純な操作で設置面積も小さくコンパクトな設備にする事ができる。
今回受注した精製設備は,鹿児島市のごみ焼却場のバイオガス施設に導入され,バイオガスを精製し,精製後に地元のガス会社へ供給され,都市ガスの原料として利用される。ごみ焼却場のバイオガスを都市ガスの原料とし,ガス会社へ販売する事例は,国内で初めての取組みであり,しかも国内最大級の規模となる。(’23 1/18)