出光興産が開発に参画する米国クリケットバレー天然ガス火力発電所(所在地:ニューヨーク州ダッチェス郡,最大出力110万kW)は,2020年4月17日から商業運転を開始した。
同発電所は,クリケット・バレー・エナジー・センター社(以下:CVE社)が保有・運営する出力110万kWのコンバインドサイクル発電を利用する天然ガス火力発電所で,発電された電力は,大消費地である米国ニューヨーク州における希少な大型・高効率電源として,同州の卸電力市場(NYISO)を通じて販売される。
コンバインドサイクル発電は,まず圧縮した空気の中で天然ガスなどの燃料を燃やして高温・高圧のガスを発生させ,その圧力でガスタービンを回して発電する。次にガスタービンを回し終えた後の排ガスの熱を利用して排熱回収ボイラーで蒸気を発生させ,スチームタービンを回して2回目の発電をする。2つの発電方式を組み合わせることで捨てられる熱を減らし,効率よく電気を作る仕組み。
出光興産は,2018年12月にCVE社の株式を取得し,この発電所の開発に参画してきた。電力自由化が進む先進的な米国マーケットにおける発電所運営,および市場取引に関する知見の獲得や,国内事業への還元等を進めている。(’20 6/17)