2026年2月18日

「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2026」独・ハノーバーで2026年4月に開催

ドイツメッセは,2026年2月3日(火)に都内で記者会見を行い,同年4月20日(月)~24日(金)にかけてドイツ・ハノーバーで開催する世界最大級の産業見本市「ハノーバーメッセ2026」の概要や見どころを発表した。

ドイツメッセのグローバルダイレクター,フーベルトゥス・フォン・モンシャウ 氏は,2026年の本展示会は「極めて特別」と位置付け次のように説明した。

産業界は現在,グローバルな競争が激化しており,製造コストの上昇,さらにAIなど新しいテクノロジーが製造現場に導入されるといった劇的な変化に直面している。これらに対する革新的な解決策がハノーバーメッセで提示されるのでぜひ参加してそれを実現して欲しい。ハノーバーメッセは単なる製品展示の場ではなく,産業,経済,科学の国際的な対話のプラットフォームである。

今回はテーマ構成の刷新や会場案内の最適化,新たな交流プログラムの導入に取り組む。「Automation & Digitalization(自動化とデジタル化)」に焦点を当て世界各地から終結した出展企業が製造業向けのイノベーションやソリューションを紹介する。また,欧州の安全保障・防衛産業の強化を目的に,未来志向の展示形態として設ける「防衛生産エリア」が新たな見どころの一つになっている。

注目のプログラムが目白押しの「センター・ステージ」では,世界各国の著名人80名が講演する。月曜日はインダストリアルAI。火曜日は自動車・モビリティ,および新設される「防衛生産技術」。水曜日はエネルギー産業。木曜日はオートメーション,スタートアップ,イノベーションと,5日間にわたり製造業のベストプラクティスが日替わりで集中的に議論される。

インダストリアルAIとロボティクスの進化

電気,機械,デジタル,エネルギー分野の3,000社が,現在および将来の製造業とエネルギー供給に向け,AIが中核的な役割を担うソリューションを披露する。AIはすべての展示エリアに共通するテーマであり,ほぼすべての展示で中心的な役割を果たし,AI関連のツアー,特別講座,フォーラムやネットワーキングイベントも開催される。参加者が実際にAIを活用することにより,AIによって生産性を高めることを知ることが出来る。

ロボティクス分野では,従来の産業用ロボットに加え,ヒューマノイド(人型ロボット)の台頭が著しい。BMWなどの大手企業が既に製造現場で活用を開始しており,AIとの融合によってデジタルと物理の世界が高度に統合される様子が披露される。

新規展示エリア「防衛生産エリア」とエネルギー技術

地政学的リスクの高まりを受け,安全保障関連製品の製造技術に特化した「防衛生産エリア(ホール26)」が新設される。これは防衛産業が直面する迅速な生産拡大という課題に対し,民間のオートメーション技術を転用・強化する狙いがある。

エネルギー分野では,製造コスト削減に直結するエネルギー効率の向上,水素技術,およびエネルギー貯蔵ソリューションが重点的に展示される。

パートナーカントリーは「戦略的に重要な成長パートナー」ブラジル

2026年のパートナー国は中南米最大の経済国ブラジル。グリーンエネルギーや原材料,さらには急成長する産業市場に至るまで,大きな可能性を秘めたブラジルではすでに1,500社を超えるドイツ企業が活動しており,国内工業生産高の約10%を占めている。戦略的に重要な成長パートナーである同国の自動化,デジタル化,オートメーション,エネルギーといった各分野で多くの革新技術を提示する。

「オールジャパン」による日本のプレゼンスの向上

アビームコンサルティングの橘 知志 氏からは,日本のプレゼンス向上を目的とした共同出展プロジェクト「ジャパン・インダストリアル・パーク(Japan Industrial Park)」の詳細が説明された。

本プロジェクトは,個別企業による情報発信にとどまらず,日本が培ってきた産業力を「オールジャパン」として総合的に発信することを狙いとしている。民間企業に加え,情報処理推進機構(IPA),新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO),ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI),インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(IVI)といった公的機関・団体が連携する。

コンセプトには「Co-Creating the Future of Industrial – From Japan’s Technology and Dataspace Initiative」,「共創」をテーマとして,産業変革に挑む日本企業のソリューションや価値共創,日本のデータ連携の取り組みを展示する他,会場における日本と世界のハブとなるブースを目指す。

会場となるホール13では,前回の5倍の来場者を記録した実績を踏まえ,展示スペースを約1.5倍に拡張する。ブース内にはプレゼンテーションスペースを併設し,以下の機能を持たせる計画。

  • ハブ機能:有識者によるインダストリー4.0解説ツアーやトークセッション
  • デモンストレーション:企業間・産業間のデータ連携の具体的事例の提示
  • ネットワーキング: 国際的な共創機会を創出するための交流の場

橘 氏は,日本国内でのデータ連携の取り組みを海外から見えやすく発信し,日本と世界の双方向での競争力向上をアシストしたいと語った。

「協調領域」という戦略的視点など見るべき注目技術や動向

ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)の中島 一雄 氏は,欧州との連携10周年という節目を踏まえ,戦略的な視点から注目すべき技術トレンドを提示した。

欧州の企業は,競争相手であっても共通の基盤領域では協調し,コストを抑えて標準を構築した上で,その基盤の上で競争するという構造を確立している。この欧州産業エコシステムの仕組みを理解し,日本がいかに対応するかが鍵と話し主要な技術キーワードを3点挙げた。

(1)データ連携(独Manufacturing-X)
欧州ではデータ連携基盤の構築が社会実装の段階に入っている。これに対し,日本は「Open Data Spaces (ODS)」を提案している。これは,各地域のルールの違いを許容しつつ,相互運用性を確保する枠組みであり,ハノーバーメッセではこの国際連携に関する具体的な発表が予定されている。

(2)AIの産業活用
個別企業の活用を超え,産業データの集積による「賢いAI育成」を集合知として作るための欧州のアクションプランに注目すべきである。

(3)次世代クラウドインフラ8ra(オーラ)
次世代の欧州クラウドインフラ構想である。米国のクラウドへの過度な依存を脱却し,欧州内で相互運用可能な環境整備をする動きとして注視が必要である。

会期中の4月20日にホール12で行われる日独経済フォーラムによる講演や,専門家によるエクスパートステージでの発信を通じて,日本の存在感をアピールしていく意向を示した。

<HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2026 開催概要>

  • 会期:2026年4月20日(月)~24日(金) 9:00~18:00(最終日は15:00終了)
  • 会場:ハノーバー国際見本市会場(Messegelände, 30521 Hannover, Germany)
  • パートナーカントリー:ブラジル
  • 主要テーマ:インダストリアル・トランスフォーメーション(産業変革)
  • 予定規模:60ヵ国から3,000社以上の出展予定
  • 入場料金:1日券:35ユーロ/通し券:90ユーロ
  • 主催・運営:ドイツメッセ株式会社(Deutsche Messe AG)
  • 公式HP:https://www.hannovermesse.de/en/
  • 国内問合せ:International Linkage ドイツメッセ日本代表(竹生 氏)
    https://intl-linkage.co.jp/dm/hannovermesse/  (’26 2/18)

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