NTNは,産業機械用等速ジョイント(CVJ:Constant Velocity Joint)を対象としたメンテナンスサービスを開始した。製鉄や鉱山,化学,製紙,食品など幅広い分野の設備で動力伝達部品として使用されている産業機械用等速ジョイントを対象とするメンテナンスサービスの提供を通じて,買い替えコストの抑制に加え,故障リスクの低減によるダウンタイムの抑制,エネルギー効率の向上,さらにはサーキュラーエコノミーの推進にも貢献する。
同社では,自動車のモーターやエンジンからタイヤへ動力を伝える等速ジョイントを1963年に日本で初めて実用化し,以来,技術面と製造面の両面から技術を磨き,現在では世界トップクラスのシェアを誇る。自動車分野で培った高度な技術力を活かし,産業機械の分野においてもモーターなどの駆動装置からの動力を円滑に伝達する等速ジョイント(写真1,2)の開発・販売を行っている。機械設備の設計上,取付け角度が生じる場合でも,静粛性となめらかな動力伝達を両立できる構造に加え,潤滑剤であるグリースはゴム製などのブーツによって密封されているため,長時間にわたって給脂が不要で,グリースの飛散も防止でき清潔な環境の維持にも貢献する。こうした点が高く評価され,製鉄や鉱山,化学,製紙,食品など幅広い産業分野で採用されている。


同サービスでは,長年にわたり培ってきた技術やノウハウを活かし,等速ジョイントの内部を分解・洗浄し,各部品の状態を精査した上で必要に応じて新品部品への交換や再組み立てを行うことで,商品の長寿命化を実現。さらに,将来的な買い替えの必要性や最適な保守計画に関するアドバイスも提供する。
同社では,同サービスを通じて,ユーザーの買い替えコストの抑制やダウンタイムの削減などに貢献するとともに,買い替え品の製造に伴う環境負荷の低減を通じてカーボンニュートラルおよびサーキュラーエコノミーの推進に貢献する。商品の選定や提供にとどまらず,商品の取扱いや運用保守まで含めた軸受ライフサイクルマネジメントの提供により,アフターマーケット・ビジネスのさらなる拡大を推進していく考え。(’25 10/8)