2025年4月23日

「2025フックス インダストリアル代理店総会」開催される

アーステック

フックスジャパンは,2025年3月21日(金),赤坂インターシティコンファレンス(東京都港区)で「2025フックス インダストリアル代理店総会」を開催した。

代理店総会は2022年から実施しており,工業用潤滑油や切削油などを販売する全国のパートナー代理店の中から今回は16社28名が参加した。

冒頭,塩田 博篤 社長(写真1)は「過去3年間を振り返りますと金属加工油では,12の新商品を市場導入しお客様の多様なニーズに応えるだけでなく,新たな商材を提供することで販売代理店様の利益向上にも貢献できたと考えております。

また,特殊潤滑剤のスペシャリティ事業では,昨年には従来からの鍛造,発電,風力などの分野に加え,半導体業界や食品業界など成長分野へも参入し,「Nye Lubricants」や「CASSIDA」など新たな製品をポートフォリオに加えながら新規ビジネスの獲得に取り組んでまいりました。その結果インダストリアル代理店総会を開始した2022年と比較して,金属加工油剤事業の売上は40%成長,スペシャリティ事業の売上は3倍以上に拡大し,この成長を支えてくださったパートナー代理店の皆様に改めて心より感謝申し上げます。

自動車の潤滑剤市場では,ドイツ本社でメルセデス・ベンツ,BMW,アウディ,ポルシェなど完成車メーカーの承認を取得し,日本市場においても堅実なシェアを維持してきました。機械加工,鍛造,半導体,食品,自動車といった多様な分野において当社のビジネスには共通する要素があります。それは常にパートナー代理店の皆様とともにビジネスを展開することです。競争力のある製品を開発・提供するだけでなく,パートナー代理店の皆様と一体となり,エンドユーザーに対して潤滑に関する最適なソリューションを提案することを使命としています。これこそが,当社の成長の原動力であり,成功の鍵であると信じています。

新たに当社グループに加わった特殊潤滑剤「LUBCON」や「TIMTRONICS」を日本市場に導入し,新たなパートナーシップを築いてまいります」と昨年の振り返りとともに2025年への抱負を述べた。

塩田社長の挨拶-2025フックス インダストリアル代理店総会
写真1 塩田社長の挨拶

続いて,大谷 聡 氏(インダストリアル事業部長)(写真2)が2024年の業績について説明した。「2024年度は自動車メーカーの大幅な減産,原油・原材料・化学品の価格高騰,世界的なインフレの影響を受け,さらには円安による為替リスク,少子高齢化による人手不足など,様々な課題に直面しました。

このような中でもフックスはマネジメントチームが一方的に方針を決定するのではなく,全社員でブレインストーミングを行い,戦略を練る文化があります。私たちはこの戦略会議を通じて,新規ビジネスの開拓を推進し,選択と集中を徹底しました。その結果2024年までに販売数量は2019年対比で149%と成長を遂げることができました。売上においても2020年以降,毎年二桁成長を継続し,2019年比で61%の成長を達成しています。

2024年単年で見ても前年比12%の成長を実現し,営業利益(マージン)も15%成長となりました。しかし,販売数量は伸び悩みました。その要因として採算性の低い製品が多数存在していたことから,継続の可否について全社員で議論を重ね結果として,一部の事業を見直し,新規ビジネスの獲得に注力することで,収益改善を図ることができました。2025年はパートナー代理店の皆様とともにさらなる成長を目指す重要な一年になります。昨年の取組みを振り返りながらより一層の選択と集中を進め,業績目標を達成することを目指してまいります」と事業方針を説明した。

大谷部長-2025フックス インダストリアル代理店総会
写真2 大谷部長

挨拶の後にはグローバルにパートナー関係にあるDMG森精機から,加治 敏 氏(DMG森精機セールスアンドサービス 5軸コンペテンスセンタ センター長)による「DMG森精機が展開する5軸加工機の活用事例」を発表した。5軸加工機や複合加工機など,マシニングトランスフォーメーション(MX)を提供する四つの要素「工程集約」「自動化」「無人運転」「デジタルソリューション」の中から,「工程集約」に焦点を当てた工作機械の構造や特長,活用事例を紹介した。

次に,北村 武志 氏(技術部長)からは「FUCHSのサステナビリティ」と題し,「バッテリーEVモーター用フルード」「風力発電用ベアリンググリース」「大容量データセンター向け液浸冷却液」「エネルギー伝達効率を向上させる作動油」などサステナビリティ製品の開発や環境負荷低減に対する取組みを紹介した。小橋川 安津子 氏(技術部R&Dマネージャー)からは,「FUCHSのR&D体制について」として,技術部門における主要4部門「EHS(環境・健康・安全)部門」,「QM(品質マネジメント)部門」,「KHT(技術移管)部門」,「R&D(研究開発)部門」や海外拠点や,国内技術部門でのTS(テクニカルサポート)チームによる依頼試験,技術サポート,化学物質調査,QC業務や,R&Dチームによる製品開発,海外製品の国産化,試験・研究などについて説明した。

その後新製品や注力製品の紹介として,金属加工油では「プラントカット」「エコクール」,スペシャリティ製品では「鍛造油・FORGE EASE3512」「耐高温潤滑ペースト・GLEITMO」の仕様や効果,事例などを紹介した。

最後に,大谷 氏による2024年販売量コンテストの結果発表と表彰,2025年の販売コンテストの対象商品について発表した。また,提案製品の採用事例としてローヤル油機(福島県いわき市)代表取締役の佐藤 義道 氏が代理店による成功事例を紹介した。(’25 4/23)

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