ジヤトコは,無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)で使用される潤滑油(以下,CVT油)の性能を回復する添加剤を新たに開発した。
今回開発した添加剤は,現在使用中のCVTやハイブリッド(HEV:北米,中国などで販売しているCVTタイプのHEV)のCVT油に追添して使用する。これにより,湿式クラッチの締結・解放時のショック改善や,湿式クラッチの耐久性がCVT油全交換時と同等レベルまで回復する。また,同添加剤は,繰り返し使用することができる。
同社の無断変速機(CVT)で使用するCVT油はライフで保証しており,交換の必要はない。そのため,従来CVT油の交換を行っていた商用車やタクシーなど長距離を走行するユーザーが対象となる。同添加剤の使用により,低コストかつ短時間でCVT油の性能をCVT油全交換時同等レベルまで回復できるだけでなく,CVT油全交換時と比べ廃油量を約90%低減できる。
同社は,1970年の創業以来,自動車用トランスミッション(CVTおよびAT)を自動車メーカーに製造・販売する企業として事業を進めてきた。その実績はグローバルで約1億3,000万台に上る。今後はクルマの電動化に伴い,e-Axleなどの電動パワートレインを市場に供給する計画。
<新開発添加剤の特長>
- 環境面:廃油量 約90%減
Before:CVT油全交換時 5~8L/台 ※車両サイズによって異なる
After:同添加剤追添時 0.5L/台 ※添加剤追加分のみを廃油 - 性能面:CVT油の性能がCVT油全交換時同等レベルまで回復する
効果1:湿式クラッチの締結・解放時のショック改善
効果2:湿式クラッチの耐久性改善 - ユーザーの負担軽減
(1)費用面:約40~50%減を試算
(2)時間面:約70~80%短縮
Before:CVT油全交換時 60~90分/台
After:同添加剤使用時 10~15分/台 (’24 12/4)