イグスは,食品製造・包装業界向けの粉状コーティング材やリニアガイドに新しいバージョンを追加した。将来的なPFAS規制の影響を受けないPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フリー素材を採用するなど,これまでよりさらに環境負荷が低く,衛生的な製造現場に寄与する製品が提供可能となった。
PFASは,有機フッ素化合物。工業的に生産された化学物質の総称。社会の中で幅広い用途・製品に使用されていると同時に,難分解性・生物蓄積性・毒性などのマイナス特性をもつ。PTFEは,PFASの1つで,耐熱性,摺動性,耐摩耗性に優れたフッ素樹脂。
同社は包装機械の摺動部分など,さまざまな用途で利用される食品業界向け粉状コーティング材に,新しくPTFEフリーの「イグリデュールIC-05PF」を開発。PTFEを利用したコーティング剤からの置き換えにより,将来のPFAS規制の影響を受けることなく,高い摺動性能・耐摩耗性を実現できる。
また,食品製造現場での使用を想定し,FDA準拠およびPTFEフリーの素材を使用したリニアガイドが新しいデザインになり,「ドライリンW-HYD」として追加された。EHEDG(欧州衛生工学・設計グループ)が示す食品製造機械の衛生設計ガイドラインに則り,隙間を極力なくすデザインにすることで,残留物や雑菌・バクテリアが付着しにくく,洗浄作業がより簡単になった。また,キャリッジの摺動部分に溝を設けているため,水や洗浄剤が速やかに排出される。(’24 11/6)