潤滑油協会は2024年7月10日,「2024年度潤滑油研究会」をホテルルポール麹町(東京都千代田区)で開催,2019年以来の対面での開催となった。
同研究会は,資源エネルギー庁の支援のもと,潤滑油の品質確保事業等の支援事業(補助事業)の一環として,潤滑油技術等に携わる人材を育成するために必要な潤滑油関連情報を提供することを目的に,OILの日である7月10日に毎年開催している。
当日は,潤滑油製造業近代化委員会委員長の和川 紀之 氏(三和化成工業)による開会の挨拶の後,田村 和志 氏(出光興産)が「持続可能な社会の実現に向けた潤滑剤産業の課題と出光の挑戦」と題し,カーボンフットプリント(CFP)低減・削減貢献量に関するガイドラインの整備,省エネ・省燃費製品の規格・標準化の必要性について指摘した。また基油再生の実現には,環境影響の正確な把握と社会システムの整備,再生可能原材料を使用した革新的な製品の開発と市場創造が必要であることを解説し,出光興産潤滑剤の事例を紹介した。
また,加藤 維織 氏(本田技術研究所)は「電動パワーユニットの進化に伴うトライボロジー技術」のテーマで,モビリティにおける電動パワーユニットの性能進化に必要な技術について,大容量の熱交換に必要な高性能な流体システム,動力損失が少なく表面積が大きい表面構造など様々な技術課題を紹介しトライボロジーの役割について解説した。(’24 7/24)