NTNは,電気自動車(EV)の駆動源であるe-Axle向け軸受として,導電性に優れたゴムシールの採用によりEDM(Electrostatic Discharge Machining,放電加工)電流による電食対策を施した導電軸受を開発した。
モータ支持用軸受で対策すべき電流には,モータ軸を通過するEDM電流とモータ内を循環する循環電流の2種類がある。これらの電流が軸受の軌道面に通電すると電食の発生につながる。
同軸受は,EDM電流への対策として開発された。導電性に優れたゴムシールを適用し,電流がゴムシールを介して通ることにより,軸受軌道面への通電による電食の発生を低減させる。軸受に導電ブラシなどの別の導電部品を取り付ける対策方法に比べて,軸受の構成部品そのものに導電性を持たせることで,省スペース性に優れている。
循環電流対策には,軌道面への通電そのものを抑制する絶縁することが有効なため,同社はこれまで絶縁アイテムを開発してきた。今回,EDM電流を対策する導電アイテムを開発したことで,e-Axle用軸受として対策が求められるすべての電流への対応が可能となった。(’24 7/10)