ENEOSは,使用済み潤滑油を活用した潤滑油基油再生技術の社会実装に向けた実証事業において,低炭素基油(CO₂排出量が抑えられた基油)の製造に成功したと発表した。トヨタ自動車の協力を得て,市場から集めた使用済みエンジンオイルを原料として使用している。
低炭素基油を配合したガソリンエンジンオイルは,高温酸化防止性の国際指標であるSequence IIIH 試験において,従来の原油由来の基油を配合したガソリンエンジンオイルと同等の高温酸化安定性を有することが確認された。
この技術検討は,2022年度の環境省公募事業「脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に採択された「廃潤滑油を活用した潤滑油基油への再生プロセス構築」の検証テーマで,既存の国内石油精製技術の活用のほか,海外企業との技術提携の可能性も含めて取り組んでいる。
今後は,使用済み潤滑油を原料とした低炭素基油の製造体制の早期実現を図るべく,実証実験のスケールアップ,製油所・事業所の既存設備の有効利用等の検討のほか,当該事業活動におけるステークホルダーとの対話を進めていくとしている。(’24 6/19)