2024年4月17日

「2024フックス インダストリアル代理店総会」開催される

アーステック

フックスジャパンは,2024年3月22日(金),赤坂インターシティコンファレンス(東京都港区)で「2024フックス インダストリアル代理店総会」を開催した。

代理店総会は2022年から実施しており,工業用潤滑油や切削油などを販売する全国のパートナー代理店の中から今回は17社25名が参加した。

冒頭,塩田 博篤 社長(写真1)は「昨年は念願の対面による代理店総会を開催でき,新製品の説明などを共有して連携を深める有意義な時間となりました。そのお陰もあり2023年はパートナー代理店のご協力のもと,切削油を主力製品とするインダストリー事業,特殊製品を主力とするスペシャリティ事業,自動車用潤滑油を展開するOEMやアフターマーケットなどすべての分野で好業績を達成することができました。またDMG森精機様とのパートナーシップも想定以上に進展し,新規設備でのエコクールの導入実績など飛躍を遂げることが出来ました。さらに食品用潤滑油のCASSIDA,半導体製造や自動車など幅広い分野に採用されているNye Lubricantsの拡販など,日本におけるフックス製品のポートフォリオの拡大などを遂げることが出来,2023年は前年比42%の売り上げアップという過去最高の成果を上げることが出来ました。日本だけではなくフックスグループは急激な成長を遂げています。昨年度の売り上げは35億ユーロ。日本円に換算すると5,800億円に達し潤滑油専業メーカーとして確固たる地位を築き上げています。これは日本のパートナー代理店の多大な協力と強いコミットメントがなければ不可能だったと信じています。改めて感謝申し上げます。新しいチャレンジとして,グローバルで展開している商品の日本への展開。海外での実績がある鍛造離型剤の日本での製造。昨年手がけた新規ビジネスのNye Lubricantsを足掛かりに,半導体,医療,航空宇宙,電気自動車分野へエコクールグローバル1000を投入し,今後成長が見込める分野に集中して展開します。」と昨年の振り返りとともに2024年への豊富を述べた。

塩田社長の挨拶
写真1 塩田社長の挨拶

続いて,大谷 聡 氏(インダストリアル事業部長)(写真2)が2023年の業績の推移について説明した。「新たな販売チャネルや積極的な新規獲得活動,徹底した選択と集中により,金属加工油業界全体が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の水準に戻っていない中,私たちは2019年対比で2023年は46%も販売量を増加させることができました。2024年の基本方針として,昨年半ばに導入した,増加する難削材ニーズに対応するため,日本独自で開発・製造したエコカット6000シリーズ,エステル技術を駆使したプラントカット6000シリーズの販売が好調のため,本年も引き続き販売を強化してまいります。また,鍛造離型剤「LUBRODAL」,特殊潤滑剤「GLEITMO」,「CEPLATTYN」などスペシャリティ製品を導入し高付加価値製品によるバリューセリング,セグメントマネージャーによる戦略的アプローチ,“DMG森精機とのコラボレーションによる最適なクーラントの提案”などにより課題を解決していきます。」と決意を述べた。また「ECOCOOL GLOBAL 1000」の導入・拡販,新処方プラントカット・エコカットシリーズの拡販,高性能スペシャルティ製品の拡充,新製品水溶性クーラントの導入。カーボンニュートラルを意識した製品開発やリサイクルエステルの導入によるサステナビリティへの取組み。生産現場における自動化・DXへの対応,半導体・航空宇宙・医療・ロボット業界などの成長産業へ参入し高付加価値製品の導入を行っていくことなどの事業部方針を説明した。

大谷部長による事業部方針説明
写真2 大谷部長による事業部方針説明

その後,吉本 宜史 氏(DMG森精機 執行役員 伊賀奈良商品統括部部長(兼)生産管理部部長)による「DMG森精機が実現するMX(マシニングトランスフォーメーション)」を発表した。DMG森精機の会社概要や活動内容,5軸加工機や複合加工機など,これまでの主力である自動車業界から,半導体,航空,宇宙,EV,精密金型など受注の変遷。工程集約,自動化,DX(デジタルトランスフォーメーション),GX(グリーントランスフォーメーション),の4つのキーワードによりマシニングトランスフォーメーション(MX)による展開を紹介した。

次に,西田 剛 氏(サプライチェーンマネージャー)からは「FUCHSのサステナビリティ」と題し,2040年までに“Cradle-to-Grave(ゆりかごから墓場まで)”という考えのもとNet Zero戦略を目標に,すべてのプロセスを対象としたCO₂削減に取り組んでいる。また昨年から廃食用油由来の脂肪酸エステルをベースにした「プラントカットシリーズ」を市場に導入しており,2024年にはリサイクルエステルをベースにした製品の市場導入に向け,ユーザーが使用した後の廃棄物から原料への取り組みについて,低エネルギーでリサイクルが可能となることなどを説明した。北村 武志 氏(技術部 部長)からは「労働安全衛生法の改正と保護具」と題し,2024年4月から施行される労働安全衛生法改正について概要を説明,改正に伴う箇所の解説やフックスジャパンで使用している保護具についても紹介した。またその後セグメントマネージャーからは,金属加工油「ECOCOOL GLOBALシリーズ」の中でも,航空機や医療,半導体産業などで使用されることを想定した高性能な水溶性加工油剤「ECOCOOL GLOBAL 1000」の仕様や効果,各産業での認証関連情報について紹介,半導体分野での実績や事例を紹介した。

最後に,大谷 氏による2023年販売量コンテストの結果発表と表彰,2024年の販売コンテストの対象商品について発表した。また,提案製品の採用事例として金谷興油(群馬県太田市)代表取締役の清水 雄次郎 氏から代理店による事例を紹介した。

グローバル製品や顧客目線に立った商品の開発,販売を続けているフックスジャパンでは,日本市場への投資を強化し更なるシェアの拡大を目指す。代理店や顧客との対話を大事にしながら,2024年も成長を続けていく。(’24 4/17)

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