ドイツメッセ ハノーバーメッセ担当グローバルディレクターのフーベルトゥス フォン モンショー 氏は会見で開催概要を次のように紹介した。
今年のメインテーマは「Energizing a Sustainable Industry(持続可能な産業の活性化)」。産業界が直面する競争力の向上,気候変動対策,繁栄の促進への課題解決としてオートメーションやデジタル化,AI,再生可能エネルギーなど最も効果的な活用方法を披露する。300社を超える産業スタートアップ企業,グループパビリオン「Hydrogen + Fuel Cells Europe(欧州の水素・燃料電池)」に出展する300社超の企業を含め,水素・燃料電池業界から約500社が出展するなど見どころが多い。
注目のトレンドは,AI,カーボンニュートラル生産,エネルギーシステム,インダストリー4.0/Manufacturing-X,水素・燃料電池。Future Hub,Engineered Parts & Solutions,Automation & Motion,Drives,Energy Solutions,Digital Ecosystems,International Business & Marketsの6つのエリアに分かれて展示する。
また,熟練労働者不足は依然として産業界の課題となっていることから,「YOUR FUTURE(未来人材プログラム)」は,AI,工学,ロボティクスなどの分野でのキャリア形成を目指す高卒者や大学生,若い専門家を後押しするために設けられた,ハノーバーメッセの若手人材向けイニシアチブで,就職候補企業との面談,出展しているスポンサー企業へのガイドツアー,見習い・研修プログラムに関する情報提供,他の参加者とのネットワークづくりで構成される。
欧州では6月に選挙を控えており,欧州連合(EU)は強固な経済同盟としての自らのイメージをハノーバーメッセで打ち出す。4月21日(日)に行われるオープニングセレモニーでは欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン 委員長がスピーチを行うほか,ノルウェーのヨーナス・ガール・ストーレ 首相,ドイツのオラフ・ショルツ 首相も登壇する予定。また「EU as Home of Decarbonized Industry(脱炭素産業の中心地であるEU)」と題し,産業界のリーダーたちがEUの政治家と共にグリーンディールなどのトピックについて議論を交わす。世界有数の産業賞である「HERMES AWAD(ヘルメス・アワード)」の授与式も行われる。同賞は高度な技術革新を示す製品やソリューションを生み出した企業に対して,技術革新のレベル,産業界・環境・社会にとってのメリット,コストパフォーマンス,実装の成熟度を主な基準として選考される。同時に「HERMES Startup AWARD 」も表彰する。
モンショー 氏は,「60ヵ国から4000社が8000製品やソリューションの出展を見込む。産業界にとってここ2~3年大きな変革があった。競争力の向上,持続可能性,繁栄の持続が大きなテーマとなっている。産業界は自動化,デジタル化,電化といった技術を用いてこれらのタスクに対応することができる。ハノーバーメッセではそのソリューションを見つけることができる」と参加の意義を述べた。
パートナーカントリーはノルウェー。欧州経済領域(EEA)協定により欧州域内市場に完全に統合されておりノルウェー,ドイツ,その他の欧州連合加盟国間におけるシームレスな貿易・投資フローが可能。グリーントラジションにおいてさらに緊密に連携していくために,気候変動,再生可能エネルギー,グリーン産業の分野に関する戦略的パートナーシップを結んでいる。
「Norway 2024: Pioneering the Green Industrial Transition(ノルウェー2024年:グリーン産業への転換をリードする)」を2024年のテーマに掲げ,グリーン産業への転換,ネットゼロの達成に必要とされる新たなソリューションをノルウェーパビリオン(ホール12)で紹介する。4月23日(火)には「ノルウェー・ドイツ・エネルギー会議」を開催,インフラ,製造,輸送,保管,供給など水素経済ビジネスモデルに焦点を当てノルウェー企業と各国企業との連携促進や海外投資家向けのビジネスチャンスの場を提供する。
ノルウェー大使館 駐日ノルウェー臨時代理大使のリーネ・アウネ 氏は,「低炭素社会への転換において,ノルウェーが何を提供できるのか。エネルギー,製造,デジタル化の分野での主要なプレーヤーであり,洋上風力や水素,再生可能エネルギー,低炭素,持続可能な生産などの分野のソリューション開発でノルウェーが重要な役割を果たしていることを紹介したい」と語った。
また,同・通商技術参事官で工学博士のスベイングランダム 氏は,「グリーン産業への移行をリードしており,国際的にも信頼されたエネルギー生産国として知られるノルウェーが持続可能な技術とイノベーションのグローバルリーダーとして自らを位置づけ,特に再生可能エネルギーや電動モビリティー,グリーンインフラなどの分野で世界をリードしていることをアピールしたい」と話した。
続いて,ハノーバーメッセへの参加企業を代表して,シーメンス デジタルインダストリーズ産業機械営業統括部統括部長の濱地 康成 氏は,世界経済フォーラムが選出する世界最先端工場「Global Lighthouse」では132工場の中で日本企業は2拠点のみであり,本当にモノづくり大国日本は最高水準にあるのかと警鐘を鳴らす。「インダストリアル・メタバースを実現し,AI主導のデジタルツイン技術の活用など,グローバル企業と提携したDX・GXの最新テクノロジーや成功事例など学ぶべきことを探しに日本人はハノーバーメッセに行くべき」と語った。
<HANNOVER MESSE 2024(ハノーバーメッセ)開催概要>
- 会期:2024年4月22日(月)~26日(金) 各日9:00~18:00
- 会場:ハノーバー国際見本市会場(Messegelände, 30521 Hannover, Germany)
- パートナーカントリー:ノルウェー
- 出展料金:3,443ユーロ~/9m²・スペースのみ・一面開放
- 入場料金:
1日券(One-day admission) 35ユーロ
通し券(Full-event admission) 90ユーロ
※チケットの購入は,HANNOVER MESSE 公式ホームページまで
https://www.hannovermesse.de/en/for-visitors/tickets/index-2 - 主催・運営:ドイツメッセ(Deutsche Messe AG)
所在地 Messegelände, 30521 Hannover, Germany
E-mail info@messe.de
Tel +49(0)511/89-0 - 公式HP:https://www.hannovermesse.de/en/
- お問い合わせ:International Linkage ドイツメッセ日本代表部 竹生 氏
東京都世田谷区玉川3-20-2 マノア玉川第3ビル501
TEL 03-6403-5817
https://intl-linkage.co.jp/dm/hannovermesse/ (’24 1/31)