2023年11月8日

「状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング」開催される

アーステック

日本機械学会は2023年10月13日(金),Zoomを利用したオンラインで「状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング」(主査:渡部 幸夫 氏,元 日本精工)(写真1)を開催した。

渡部主査による挨拶-状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング
写真1 渡部主査による挨拶

2004年にスタートした「ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)」資格認証制度は今年で20年目を迎え,今年9月時点の認証者は,カテゴリ I 299人,カテゴリII 2,526人,カテゴリIII 388人,カテゴリIV 40人となっている。また2009年に開始した「ISO18436-4準拠 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)」の資格認証制度の認証者は,カテゴリ I 575人,カテゴリII 169人,カテゴリIII 11人となっている。それぞれの受験者,合格者は表1,2の通り。

表1 受験者数と合格者数(振動)(2004年度第1回~2023年度第1回)
受験者数と合格者数(振動)(2004年度第1回~2023年度第1回)-状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング
表2 受験者数と合格者数(トライボロジー)(2004年度第1回~2022年度第1回)
受験者数と合格者数(トライボロジー)(2004年度第1回~2022年度第1回)-状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング

同資格は診断技術に特化したものであり,これまでに類のない資格として,設計技術者,保全技術者から高度専門家まで,また重工業・回転機械製造,エンジニアリング・メンテナンス産業,石油,化学,鉄鋼,電力,ガスなど多岐にわたる産業分野の技術者が資格を取得している(図1,2)。

ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計(2023年度第1回)-状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング
図1 ISO18436-2準拠 機械状態監視診断技術者(振動)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計(2023年度第1回)
ISO18436-4準拠 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計<br />
(2009年度第1回~2022年度第1回)-状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング
図2 ISO18436-4準拠 機械状態監視診断技術者(トライボロジー)資格認証試験 受験申請者の所属産業分野累計
(2009年度第1回~2022年度第1回)

それぞれ振動診断技術という共通の技術に携わる技術者が異なる業種にある技術者同士の技術交流,情報交流,情報交換には新たなヒントを得る貴重な機会であり,技術力の向上に役立つことから,機械状態監視診断技術者のコミュニティの場として,また資格取得者に対するフォローアップの場として毎年開催しているが,会場で対面での開催は2019年以来4年ぶりとなった。

13回目となる今回は66人が参加し,同コミュニティ幹事の日隈 幸治 氏(写真2)が司会進行を務め,渡部主査による挨拶とコミュニティの活動報告の後,防衛大学校名誉教授の松下 修己 氏による基調講演「周期構造のモータ・ロータ系の共振現象」,振動カテゴリIV合格者による事例紹介として,迫 孝司 氏(設備診断研究所)による「周波数変調解析法によるすべり軸受ラビング早期検出技術」,原 貴司 氏(酉島製作所)による「遠心ポンプで経験したトラブル事例のご紹介」の2件の講演が行われた。講演では,海外に設備を納入しクレーム対応をした際に,海外技術者にカテゴリIV資格の取得者であることを示す認証証を見せると対応ががらりと変わり,技術者としてのレベルの高さが評価されたことなどの経験談をもとにした事例も紹介された。

司会進行をする日隈幹事-状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング
写真2 司会進行をする日隈幹事

その後,恒例の事前Eメール受付による振動相談では,「排水ポンプモータの異音」,「竪型ポンプモータ軸受の管理方法」,「ろ過水ポンプモータの振動」,「縦型キャンドポンプのオイルホワール現象の他事例提示と改善と運転継続可否」,「往復動圧縮機に直結された熱交換器チューブ摩耗」,「横型多段ボイラー給水ポンプの振動」の6件についての回答や技術討論が活発に行われた。

会場風景-状態監視振動診断技術者コミュニティ第13回ミーティング
写真3 会場風景

なお,次回第14回ミーティングは2024年10月に大阪で開催する予定。

第13回ミーティングの内容については,日本機械学会の「振動技術者コミュニティ」のホームページ(https://www.jsme.or.jp/conference/joutai/)に詳しく紹介している。

○機械状態監視診断技術者(振動/トライボロジー)
 資格認証試験についての問い合わせ先
 日本機械学会 事業企画グループ
 TEL 03-4335-7616 FAX 03-4335-7619
 E-mail joutai@jsme.or.jp
 URL https://www.jsme.or.jp/jotaiweb/  (’23 11/8)

Related Posts

砥粒加工学会 次世代固定砥粒加工プロセス専門委員会,第114回研究会を5/10に開催

砥粒加工学会 次世代固定砥粒加工プロセス専門委員会,第114回研究会を5/10に開催

砥粒加工学会 次世代固定砥粒加工プロセス専門委員会は,2024年5月10日(金),千葉工業大学津田沼キャンパス(対面:千葉県習志野市)とCisco Webex Meeting(Web)のハイブリッド形式で,第114回研究会「エネルギービーム加工による高精度・平滑化技術」を開催する。

Share This