三井化学および三洋化成工業は,ポリプロピレングリコール(PPG)の生産(PPG中にポリマー粒子を分散したポリマーポリオール(POP)生産も含む)において,国内における生産性向上や将来の供給安定性確保などの共通課題の解決を目的として,両社折半出資による有限責任事業組合(LLP)「ジャパンポリオール有限責任事業組合」を2023年5月15日付で設立した。
PPGは,多価アルコールに酸化プロピレン(PO),酸化エチレン(EO)等のアルキレンオキサイドを付加重合した化学製品で,ポリウレタン樹脂の主原料の一つ。同樹脂は,自動車部品,家具・寝具,断熱建材,塗料・接着剤等多岐にわたり世界市場は拡大を続けている。一方,日本国内では高機能,高付加価値のポリウレタン樹脂製品の需要伸長が見込まれているが,汎用品の需要は減少傾向にあるため,両社はPPG事業戦略において持続可能で効率的な生産体制の維持や競争力強化のため今般,同LLPを設立することとなった。今後両社はPPG事業における継続的な安定供給と収益確保の両立を図っていくとしている。
<LLPの概要>
- 名称:ジャパンポリオール有限責任事業組合
- 事務所所在地:東京都中央区八重洲2丁目2番1号(三井化学本社内)
- 出資金:100万円
- 出資比率:三井化学 50%,三洋化成工業 50%
- 取組内容:三井化学および三洋化成のPPG生産における運用協力
1.生産協力
両社製造拠点の相互活用による生産合理化(スワップ,製造受委託)
2.原料調達協力
酸化プロピレン等主たる原材料の共同交渉による調達合理化
※生産,販売等は各社で継続運用する (’23 7/5)