出光興産は,南米・北米・豪州などで合成燃料(e-fuel)の製造を行うHIF Globalと,合成燃料の生産や日本での実用化・普及を加速させるための戦略的パートナーシップに関するMOU(基本合意書)を締結した。
合成燃料(e-fuel)は,再生可能エネルギー由来の水素と大気中のCO₂を合成することで生成される液体燃料で,カーボンニュートラル(CO₂排出量実質ゼロ)を達成するエネルギーとして注目されている。
出光はこれまで,HIFの実証試験設備であるチリ南部のHaru Oniプラントを視察訪問するなど,HIFと合成燃料の早期社会実装に向けた協議を進めてきた。さらに議論を加速させるためMOUを締結した。今後は,海外プロジェクトからの合成燃料調達および国内供給,国内外における合成燃料製造設備への共同出資,国内で回収したCO₂の国際輸送と活用(原料化),の3項目についてHIFと共同で検討する。
併せて,HIFが製造した合成ガソリンのサンプルを入手し,環境影響や性能の確認を行い,国内での実用化・普及に向けた検討を進める。同時に,出光グループ製油所・事業所における合成燃料の生産検討を進め,2020年代後半までに国内における合成燃料の生産・供給体制を確立することを目指す。(’23 5/24)