ENEOS,ウェイストボックス,NTTデータ3社は,ENEOSの石油製品の製品別のカーボンフットプリント(以下,CFP)算定および組織単位での温室効果ガス(以下,GHG)排出量管理システムの構築に向けた共同検討を開始した。2023年度中にシステムを構築し,ENEOSが提供する潤滑油,石油化学製品,機能材など一部製品のCFPデータの顧客向け提供をめざす。
同共同検討での取り組みは以下のとおり。
(1)石油業界特有の複雑なCFP算定ロジックの構築
石油製品の製造におけるGHG排出管理に知見を持つENEOSと,CFP算定ロジックの構築に知見を持つウェイストボックスとの協業により,2023年1月に国から公表されたCFPガイドライン案やISO規格等に準拠したCFP算定ロジックの構築の検討を行う。具体的には,石油精製工程では同一工程で同一原料から複数の製品が同時に生産されるが,それら製品へのGHG排出量の配賦方法や,半製品のリサイクルに対する考え方等を検討する。なお,製油所で実際に取得されたデータを用いた取り組みとしては,国内石油業界初となる。
(2)CFP算定・GHG排出量管理システムの構築
CFP管理システム構築に実績のあるNTTデータとENEOSの協業により,CFPの算定・管理を支援するシステム構築の検討を行う。同システムの構築により,「製品単位での炭素情報の統一的な把握・管理」および「製造における低炭素化の取り組みのCFPへの影響分析や新製品企画段階におけるCFPの見える化」,「低炭素製品の環境価値の訴求によるビジネス機会の創出」をめざす。また,製品単位のCFPのほか,事業所等で排出される組織単位のGHG排出量も管理対象とし,「GHG法定報告の効率化」,「月次予実管理によるカーボンニュートラル計画の実行管理」および「排出量削減コストの最適化」をめざす。(’23 4/19)