潤滑油添加剤大手のインフィニアムジャパンは2022年11月9日(水),都内ホテルで「インフィニアムトレンズ2022」を開催し,自動車メーカー,石油元売,潤滑油メーカー,商社など約200名が参加した。
冒頭,John Hong 氏(Infineum Singapore LLP, Asia Pacific Sales Director & Country Head)が開会の挨拶で,「私がAP Sales Directorの職務について以来,世界各国,そして運輸,潤滑油業界に大きな変化が生じています。コロナウイルスにより2年以上の間,渡航ができない状況となり,全世界がサプライチェーンの危機,そして現在進行中のロシアウクライナ戦争によるエネルギー危機の渦中にあります。業界内ではサステナビリティを求める声が高まり,ハイブリッド化や電動化の動きが加速しました。そして,多くの国や企業が2050年までに達成することを目標としたネットゼロエミッションの新たな規制導入の公約を掲げました。日本はインフィニアムにとって重要な市場であることに変わりありません。ジャパンテクノロジーセンターは,世界をリードする日本市場に対応するための幅広い試験装置,ブレンド設備を備えお客様やOEM様のニーズにお応えするサービスを提供しています」と述べた。
プレゼンテーションでは,第一部Driving forcesのセクションでは三好 泰介 氏(Infineum Japan Ltd, IL & Technical Advisor)が排ガス規制やパワートレインの電動化の動向,ゼロエミッションや持続可能な社会に向けた世界的な取り組みについて紹介した。Base stocksのセクションでは酒井 俊一 氏(Infineum Japan Ltd, Sales Account Manager)が基油市場の動向や自動車用潤滑油の要求性能の変化が基油の需要に与える影響,再精製基油・生物由来基油について紹介した。LIGHT DUTY VEHICLES / HEAVY DUTY VEHICLESのセクションでは安福 絵里子 氏(Infineum Japan Ltd, Technologist)が乗用車の現在の市場動向やパワートレインのトレンドの移行が潤滑油開発に与える影響,排出ガス規制強化に伴うハードウェアの進化やサステナビリティに対応した燃料の開発状況,それらが潤滑油に与える影響,オンロード車の潤滑油のニーズや規格のアップデートについて紹介した。Transmissionsのセクションでは本間 立樹 氏(Infineum Japan Ltd, Technologist)が変速機の世界的な市場動向について紹介した。Marineのセクションでは松本 駿亮 氏(Infineum Japan Ltd, Technologist)が国際海洋におけるIMOの硫黄酸化物規制,パンデミックの影響,窒素酸化物(NOx)や温室効果ガスを含む次の排出規制について,これらの変化が潤滑油と燃料にもたらす影響と課題について紹介した。
第二部では,Conan Gregoire氏(Infineum France SNC, Strategic Marketing Manager)が乗用車用潤滑油開発の最新の取り組みについて,Lim Pei Yi 氏(Infineum Singapore LLP, AP Technology Manager)がインフィニアムの省燃費技術のロードマップについて紹介した。(’22 12/14)