ドイツの特殊化学品メーカー,ランクセスは,顧客企業であるプラスチック加工業者に,同社の提供するポリアミド「デュレタン®(Durethan®)」とポリエステル「ポカン®(Pocan®)」(PBT)製品で使用される樹脂原料のカーボンフットプリントについて認証値を提供できる,世界初のプラスチックメーカーの1社となったことを発表した。樹脂原料のカーボンフットプリント認証は,アントワープ製造拠点でランクセスが製造するポリアミド6の前駆体であるカプロラクタムおよびガラス繊維を対象とし,公認の認証機関により行われる。ガラス繊維は必要に応じてプラスチックの強化に使用される樹脂原料である。
この認証値は,製品のカーボンフットプリントに関する規格であるISO 14067:2018に基づき算出しており,この分析には,製品が同社の工場から出荷される時点までに発生するすべての主要な排出物を対象としている。直接排出(スコープ1)だけでなく,エネルギー購入に伴う間接排出(スコープ2)や,使用する原材料や輸送過程などサプライチェーンの上流で発生する排出(スコープ3)も含まれる。
同社は2023年に,アントワープに第2の亜酸化窒素還元プラントを開設し,2024年以降,ポリアミド6製造におけるカーボンフットプリントはさらに大幅に削減される予定となっている。(’22 11/22)