世界有数の素材科学企業であるダウと,高度なプラスチックリサイクルソリューションの世界的パイオニア企業であるミュラテクノロジー(以下,ミュラ)は,世界のプラスチック廃棄物問題の解決に向けたパートナーシップの取り組みとして,米国と欧州に全体で年間60万tとなる,世界規模の12万tクラスのアドバンスドリサイクル施設を複数建設することを発表した。
今回の発表は,ミュラのHydroPRS™(熱水プラスチックリサイクルソリューション)アドバンスドリサイクルプロセスのスケールアップにおける重要な中間目標となる。この技術は,これまで「リサイクル不可能」とされてきた軟質プラスチックや多層構造プラスチックを含む,あらゆる形態のプラスチックをリサイクルすることができる先進的なリサイクルプロセスで,大規模に展開されれば,毎年何百万tものプラスチックと二酸化炭素が環境に流出するのを防ぎ,持続可能で循環型のプラスチック経済のための材料を作り出すことができるようになる。
ミュラのHydroPRS™プロセスを活用する,英国ティーサイドにおける世界初の工場は,2023年の稼働が予定されており,同工場の年間2万t規模の生産ラインにより,100%リサイクルされた原料がダウに供給されることになる。今回のパートナーシップにより,供給量が大幅に拡大し,2030年までに60万tのアドバンスドリサイクル能力を世界に展開するという,ダウとミュラの計画で重要な役割を果たすこととなる。(’22 9/7)