日本トライボロジー学会(会長:杉村 丈一 氏,九州大学)は2022年5月23日(月)~25日(水)の3日間,「トライボロジー会議2022 春 東京」(実行委員長:田川 一生 氏,ENEOS)をZoomによるWeb会議システムで開催した。当初は現地会場での開催を予定していたが,新型コロナウイルスの感染状況を鑑み,本年もオンラインでの開催となった。
研究発表会では,一般講演とシンポジウムセッション,論文賞・技術賞の受賞講演を合わせて計156件の講演・発表が行われた。シンポジウムセッションでは,23日(月)の「工業用途潤滑剤の最新動向―基油・添加剤・メンテナンス技術の進展―」にて,(1)作動油,(2)冷凍機油,(3)風力発電関連,(4)劣化診断・基材技術の4つのセッションが行われた。また,24日(火)の「電気接触とトライボロジー」,25日(水)の「フラーレン添加油剤の可能性」にて,各種講演が行われた。
24日(火)にオンラインで開催された第66期定時社員総会では,2021年度の事業報告,貸借対照表及び正味財産増減計算書の説明,会計監査の報告ならびに2022年度の事業計画,収支予算についての報告が行われ,承認された。その後,次期(第67期)役員を選出し,杉村 会長が退任,牧野 武朗 氏(三菱重工業 総合研究所 所長)が第67期会長に就任した。
総会後にオンラインで開催された「2021年度(第66期)日本トライボロジー学会賞」の表彰式では,「功績賞」「論文賞」「技術賞」「奨励賞」の表彰と贈呈,「学生奨励賞」の報告が行われた。
また,24日(火)の定時社員総会後に,2件の特別フォーラムが開催された。1件目は,富永 和也 氏(経済産業省 資源エネルギー庁 長官官房カーボンリサイクル室)が「気候変動対策のカギを握る,CCUS/カーボンリサイクル技術の取組と展望」のテーマで,カーボンリサイクル政策の背景や,開発・社会実装の国際動向,日本政府の取り組み,今後の展望等について紹介した。
2件目は,丸田 昭輝 氏(テクノバ)が「水素・アンモニア・合成燃料をめぐる世界の動向」のテーマで,脱炭素燃料として注目されている水素,アンモニア,合成燃料(E-fuel)の動向について紹介した。
企業技術・製品展示コーナーでは26社が出展し,PDFでの資料展示や製品動画でのPRが行われた。また,企業の担当者と会話やチャットで交流できる「オンライントークルーム」が開設されたほか,ブレイクアウトルーム機能を活用した出展企業ごとのトークルームが設けられ,参加者との間で情報交換や交流が活発に行われた。(’22 6/29)