出光興産は2022年5月10日(火),2021年度の決算を発表し,売上高は6兆6,868億円(前年度比2兆1,301億円増),営業利益(持分法投資損益含む)は4,495億円(同3,492億円増),経常利益は4,593億円(同3,509億円増),当期純利益は2,795億円(同2,446億円増)となり,在庫影響やタイムラグなどにより過去最高益となった。
セグメント別の営業利益(持分法投資損益含む)は,燃料油が3,697億円(同2,676億円増),在庫影響を除くと1,365億円(同418億円増),基礎化学品が82億円(同48億円増),潤滑油含む高機能材が171億円(同41億円増),電力・再生可能エネルギーが99億円の損失(同74億円増),資源が810億円(同763億円増),その他が166億円の損失(同110億円減)。
2022年度の業績見通しについては,燃料油では製油所稼働増の一方,タイムラグの減少や,自家燃コスト負担増等により減益を見込むことなどから500億円(同865億円減)。基礎化学品では数量増等から収益改善を見込み100億円(同18億円増)。高機能材では,潤滑油は2021年度の千葉事業所のトラブル,コスト転嫁遅れの解消から増益,機能化学品は製品スプレッド縮小等で減益,電子材料は販売増で増益を見込み200億円(同29億円増)。電力・再生可能エネルギーでは電力小売事業の採算販売,調達コスト削減により増益,ソーラーフロンティアは事業構造改革の進捗による改善を織り込み,60億円の損失(同39億円増)。資源では石油開発でノルウェー子会社の持分法適用会社化等の影響により減益,石炭で市況高騰影響が燃料費・人件費の増加リスクを上回り増益を見込むことなどから,1,000億円(同190億円増)。2022年度の当期純利益は1,650億円(同1,145億円減)と減益を見込む。(’22 5/18)