ブリヂストンとENEOSは,「使用済タイヤの精密熱分解によるケミカルリサイクル」技術の社会実装に向けた共同プロジェクトを開始したことを発表した。なお,同プロジェクトは,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業/CO₂ 等を用いたプラスチック原料製造技術開発」に採択された実証事業「使用済タイヤからの化学品製造技術の開発」における 2つの研究開発項目のうちの1つとなる。
同プロジェクトでは,ブリヂストンがタイヤ・ゴム事業を通じて培ってきた高機能ゴムなど高分子素材の設計技術と,ENEOSが有する原油精製技術や基礎化学品製造に関する基盤技術を最大限融合させ,使用済タイヤのケミカルリサイクル技術の確立を目指す。具体的には,使用済タイヤを精密熱分解して得られる分解油を石化原料(ナフサ等)化し,この石化原料から合成ゴムの素原料であるブタジエン等の化学品を高収率に製造するケミカルリサイクル技術の社会実装に向けた実証実験を行う。2030 年までに量産を想定した大規模実証試験を実施し,早期の事業化を進めていく予定となっている。(’22 4/13)