ドイツの特殊化学品メーカー,ランクセスは,消毒剤および工業用保存剤に対する高い需要に対応し,ドイツのクレフェルト・ユルディンゲン拠点における微生物制御用の有効成分「プリベントール CMK(クロロクレゾール)」の生産能力を約50%増強すると発表した。同社は,この生産能力増強に対して数百万ユーロを投資し,2022年の第1四半期に完了する見込みとしている。
同製品は消毒剤や保存剤の有効成分として販売されており,また,同社が「プリベントール」および「ビルコン」ブランドで販売している防カビ剤や消毒剤製品にも使用されている。用途として増加している分野は,動物・人間向けの消毒剤で,アフリカ豚熱,鳥インフルエンザ,そして新型コロナウイルスのパンデミックにより,需要が著しく増大している。コロナウイルスのパンデミック後も,衛生面に対する世界的な意識の高まりにより需要が継続すると同社は予測している。農業事業分野では,同製品をベースとした消毒剤が畜産において病気の蔓延抑制に有用であり,工業用保存剤の分野でも,皮革用保存剤や建築用など,多くの用途に適している。(’22 3/9)