2021年3月24日

トライボコーティング技術研究会,岩木賞贈呈式とシンポジウムが開催される

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トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 氏,理化学研究所)は,2021年2月26日(金)に理化学研究所 和光研究所 鈴木梅太郎ホール(埼玉県和光市)で,第23回シンポジウム「トライボコーティングの現状と将来 ―導電性ダイヤモンド応用技術,光輝窒化処理ならびに微細金型加工―」を開催,第13回岩木賞トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)の贈呈式と受賞者による記念講演をビデオ会議システムを利用したオンラインとの併用で行った。

岩木賞は,表面改質,トライボコーティング分野で多大な業績をあげられた故 岩木 正哉 博士の偉業をたたえ,当該技術分野およびその関連分野において日々努力・研鑽する個人,法人,団体の業績を表彰するもの。第13回岩木賞を受賞したのは以下の3件で,未来生産システム学協会(NPS)から賞状と盾が授与された。

  • 岩木賞優秀賞
    「導電性ダイヤモンドを利用した精密加工工具の開発」
    岩井 学 氏(富山県立大学),二ノ宮 進一 氏(日本工業大学)高濃度のボロンをドープした導電性ダイヤモンドの持つ特性を活用して,ダイヤモンド素材の微細放電加工,微細放電加工を可能とする極低消耗放電加工用ダイヤモンド電極,導電性ダイヤモンド切刃砥石,三次元骨格構造を有する多孔質ダイヤモンド砥石,多結晶ダイヤモンド焼結体(PCD)など新しい精密加工技術を確立した。
  • 岩木賞特別賞
    「光輝窒化を可能とするアトム窒化法の開発」
    原 民夫 氏,原 安寛 氏(プラズマ総合研究所)窒素原子を最も効率よく生成することを期待できる「アトム窒化法」を開発。光輝性が良好で精密金型にも窒化でき,成膜した硬質被膜では基材と硬質膜の密着性が優れ,工具・刃物の寿命が大幅に改善された。
  • 岩木賞事業賞
    「虹色加工を施した金型製作と射出成型品の製作」
    池上 正信 氏(池上金型工業)プラスチック製品を見栄え良くする方法として加飾技術がある。虹色加工とは金属表面に虹色を発色させる加工方法の総称。射出成型金型に虹色加工を施すことで樹脂成型製品に後処理をすることなく虹色を発色させる技術。虹色加工を施すことで成型のみで加飾を行うことが可能となり,後処理が必要なくなるため工程やコスト削減,環境に配慮した製品の供給が可能となった。

当日は岩木賞受賞者による記念講演3件のほか,特別講演として九州大学名誉教授でDoi Laboratory代表取締役の土肥 俊郎 氏による「化合物半導体の加工プロセスの現状とその高度化のキー ―CMPスラリー高度化の基本的考え方と必須手法―」,会員企業による2件の講演などが行われた。(’21 3/24)

挨拶する大森会長

岩木賞受賞者の記念写真

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