出光興産は,2020年2月6日(木)に東京,翌7日(金)に大阪で「第43回熱処理研究会」を開催し,東京は121名,大阪は141名が参加した。
同研究会は,生産性の向上や環境改善に結びつく熱処理技術の最新情報の提供と,需要家との双方向の情報交換の場として1976年から開催されており,近年は東南アジア(2013年インドネシア,2015年タイ,2016年インドネシア,2018年ベトナム)でも開催している。
米中貿易摩擦や英国のEU離脱など景気の先行き不透明感がある中,自動車分野ではCASEと呼ばれる次世代技術やサービスが100年に1度の大変革をもたらす可能性があるといわれている。また,新興国を含めたスマートフォンの普及に伴い,アプリ等を活用した新たなビジネスが様々な分野で立ち上がっている。日本のモノづくりが更なる発展を遂げるためには,新興国企業とのコスト競争だけでなく,新たな技術と情報化を連携させた生産性向上の取り組みが求められている。
このような背景のもと,第43回目の開催となる今回は,各分野の第一線で活躍している講師を招き,熱処理工法や材料動向に加えCAE技術を活用した熱処理シミュレーションや可視化技術,熱処理前後工程を含めた管理技術などについて,以下のテーマの講演と質疑応答が行われた。
- 「熱処理品質と可視化技術」 杉本 剛 氏(日産自動車)
- 「熱間鍛造クランクシャフトの材料・熱処理技術」 多比良 裕章 氏(日本製鉄)
- 「熱処理シミュレーションにおける最新の動向」 今橋 智則 氏(ヤマナカゴーキン)
- 「熱処理前後の防錆,洗浄工程における課題と対策」 長瀬 直樹 氏(出光興産) (’20 3/4)