2018年11月28日

「トライボロジー会議2018 秋 伊勢」開催される

アーステック
日本トライボロジー学会は2018年11月7日(水)~9日(金)の3日間,伊勢市観光文化会館(三重県伊勢市)で「トライボロジー会議2018 秋 伊勢」(実行委員長:梅原 徳次 氏,名古屋大学)を開催,3日間で約200件の各種トライボロジーに関する講演・発表が行われた。
会議のスローガンは「古の 時を感じて トライボの 未来がミエる この伊勢で」と題し世界的にも有名な「伊勢神宮」のお膝元に約700名が参加した。
2008年秋に名古屋で開催されて以来10年ぶりに東海地区での開催となった今回は,「固体潤滑~故きを温めて新しきを知る~」,「潤滑油の超低粘度化を実現する添加剤・基油・配合技術」,「シールにおけるトライボロジー技術」,「エロ―ジョンとその応用及びその周辺技術」の4件のシンポジウムに加え,初日のイブニングフォーラムでは開催地伊勢の名産品である真珠の養殖技術とその事業展開や元祖ふれあい水族館として有名な伊勢夫婦岩ふれあい水族館シーパラダイスに関わる地域経済活性化について講演を行った。

初日の「潤滑油の超低粘度化を実現する添加剤・基油・配合技術」シンポジウムでは,トヨタ自動車 山守 一雄 氏による「ガソリンエンジン油の低粘度化の現状と課題」,アフトンケミカルジャパン 村上 靖宏 氏による「駆動系油剤の低粘度化に関する話題」の基調講演のほか,潤滑油全般を対象に低粘度化へ対応する添加剤・基油技術,それらを用いた配合技術の検討,さらに摩擦・摩耗低減メカニズムの解析事例などを発表し,低粘度化実現のための課題や解決の方向性などを議論した。
2日目の午後からは特別講演が行われ,昨今の急速な技術革新によって我々の生活を変えると期待されている人工知能について「コンピューターが小説を書く日」と題し名古屋大学大学院教授の佐藤 理史 氏が,約2000年前の我が国の文化が今に伝えられる「伊勢神宮~森と祭りの2000年」を皇學館大学大学院特別教授の櫻井 治男 氏が紹介した。その後は伊勢夫婦岩ふれあい水族館(伊勢シーパラダイス)に会場を移し懇親会を行った。

会期中は「企業展示コーナー」が併設され,機器や技術資料などが数多く展示された。昼食時には島津製作所,ジェイテクト,堀場製作所,ダイセル,ビックケミー・ジャパン,ケン・オートメーションの6社によるランチョンセミナーも開催し,連日賑わった。
2019年は「トライボロジー会議2019 春 東京」を2019年5月20日(月)~22日(水)まで,「ITC Sendai 2019」を2019年9月17日(水)~21日(金)までの開催を予定している。(’18 11/28)

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