2018年2月28日

トライボコーティング技術研究会,シンポジウムと岩木賞贈呈式が開催される

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部
アーステック
トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 氏,理化学研究所)は,2018年2月23日(金)に板橋区立文化会館(東京都板橋区)で,第20回シンポジウム「トライボコーティングの現状と将来―紫色発光半導体技術,コーティング膜の測定評価技術,産学連携による新技術―」を開催し,第10回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)の贈呈式と,受賞者の記念講演を行った。 岩木賞は,表面改質,トライボコーティング分野で多大な業績を上げられた故 岩木 正哉 博士(理化学研究所元主任研究員,トライボコーティング技術研究会前会長)の偉業をたたえ,当該技術分野およびその関連分野において日々努力・研鑽する個人,法人,団体の業績を表彰している。第10回岩木賞は以下の3件が受賞し,記念講演が行なわれた。
  • 岩木賞優秀賞:岡本 宗大 氏(大塚電子) 記念講演「反射分光干渉法を用いた三次元形状体へのコーティング厚みの非破壊測定」
  • 岩木賞事業賞:グウェン ボロレ 氏(アントンパール・ジャパン) 記念講演「PVDコーティング膜の品質管理法の確立と普及」
  • 岩木賞国際賞:中村 修二 氏(カリフォルニア大学サンタバーバラ校) 記念講演「紫色LEDを使った太陽光に近い白色LED―起業と実業化の流れ,次世代の光への挑戦―」
優秀賞は,大塚電子が独自開発した顕微反射分光膜厚計OPTMにより,光を用いて非破壊・非接触で形状のある実サンプルの各点の膜厚を高精度かつ高速に測定できる技術が評価された。 薄膜やPVD(物理蒸着)コーティングはより広い用途に対応するため様々な手法が開発され,その手法によりコーティング特性が異なることから,これぞれの特性を評価方法も様々である。事業賞は,過去数十年に渡り,コーティングの品質管理要件を満たす機械的特性測定技術へのグウェン ボロレ 氏およびアントンパール社の貢献が評価された。 青色LEDでノーベル物理学賞を受賞した中村 修二 氏が起業したベンチャー企業Soraa社が事業化に成功したGaN-On-GaNタイプの紫色LEDは,人工光では自然光のスペクトルに最も近いことから「ブルーライト症候群」の抑制につながると言われている。今後,国際的な普及が期待されていることなどから国際賞の受賞となった。 また,今回は,「動き始めた町工場と大学・ベンチャー連携」というテーマで開催された第2回「いたばしベンチャーフォーラム」との合同開催となった。パネルディスカッションでは,青色LEDの開発でノーベル賞を受賞した中村 修二 教授を含め5名が登壇し,「ミライを変えるモノづくりベンチャーの始め方」というテーマで,日本が誇る町工場の技術力で技術課題を解決するそれぞれの取り組みや想い,今後のモノづくりのミライについてディスカッションした。(’18 2/28)

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