特殊ポリマーの世界的サプライヤーのソルベイは,複数のグレードのライトン(R)ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂が,Ford社の超低粘度ULV25自動車用トランスミッションオイル(ATF)と高い適合性を持つことを確認したと発表した。
同社の最新の研究では,自動車のトランスミッションの動作効率を向上するフリーフローオイルであるFord社のATF ULV 25(仕様番号WSS-M2C949-A)に着目。ライトン(R)PPSの4グレードをISOおよびASTM試験法で評価し,Ford社のULV 25 ATFに浸漬後,機械特性の変化を測定した。
試験対象となったPPSグレードは,「ライトン(R)R-4-200BL」「ライトン(R)XE-5030」「ライトン(R)XK-2340」「ライトン(R)R-7-190」で,R-4-200BL,XE-5030,XK-2340 PPSのサンプルを150℃で設定された時間(最大3000時間)ATF ULV 25に浸漬後,またR-7-190 PPSのサンプルを同じ温度で同じ時間(最大1500時間)ATF ULV 25に浸漬後,試験を行った。いずれの場合も,これらの材料はATF ULV 25に対する優れた耐性を明確に示し,引張り強さ,破断時引張り伸び,または衝撃強さの変化は最小限だった。
ライトン(R)PPSは,高温,自動車用オイル類,機械的応力を受ける自動車部品に最適な製品で,電子化されたパワートレインへの用途として,トランスミッションセンサー,自動車制御ピストン,トラクションモーターボビン,ソレノイドなどがある。ブレーキ系部品に加えて,高い耐熱性,高い寸法安定性および耐食性が要求される電気・電子部品などにも使用される。塩分やすべての自動車用オイル類に対する耐食性を備えており,金属の代替となる軽量化材料として,小さい寸法公差で複雑な部品を成形でき,インサート成形が可能なため複数の部品を一体化することも可能となる。(’17 6/28)
「トライボロジー会議2024 秋 名護」開催される
日本トライボロジー学会(JAST)は2024年10月30日(水)~11月1日(金)の3日間,「トライボロジー会議2024 秋 名護」(実行委員長:澤江 義則 氏・九州大学)を開催した。