IHIは,大量に二酸化炭素(CO2)を発生する石炭火力発電所の環境負荷低減を後押しする,CO2回収・貯留(CCS)プラントの事業化調査および基本設計に着手した。
同社は,吸収液を使い燃焼後の排ガスから化学的にCO2を回収する「化学吸収技術」を用いたCCSのプラント実証を進めている。吸収液に用いられるアミンと排ガスを吸収塔で接触させて,アミンにCO2を溶け込ませ,放散塔で加熱することで99.9%以上の高濃度CO2を回収できる仕組みで,今後吸収液や反応システムなどの開発を進め,CO2の分離に必要なエネルギーを従来技術比で半減させる。
同社相生工場や豪州で実証実験を行っており,豪州の実証プラント(写真)では,約1年で計画運転時間の5000時間に到達した。2017年度はさらに5000時間の運転を実施し,商用機を開発する。豪州,北米,日本などで初号機の建設を目指す。
なお,同社は,化学吸収技術のほかに,酸素燃焼プロセスによるCO2液化回収装置の実証実験も行っている。(’17 5/10)
ENEOS,「持続可能な航空燃料(SAF)の製造・供給体制構築支援事業」に採択
ENEOSは,経済産業省が公募した,持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel,以下,SAF)の製造・供給拡大に向けた取り組みを支援する「持続可能な航空燃料(SAF)の製造・供給体制構築事業」に採択されたことを発表した。