日本政府観光局(JNTO)は,2010年度の「国際会議誘致・開催貢献賞」の受賞会議6件を決定,2009年9月に開催された「第4回世界トライボロジー会議(WTC2009)」が国際会議開催による地域貢献の部を受賞し,2010年12月8日東京国際フォーラム(東京都千代田区)にて開催された「第20回国際ミーティング・エキスポ」会場内にて授賞式を行った。「国際会議誘致・開催貢献賞」は,国際会議の誘致や開催の意義に関して国民の理解を促進し,主催者や関係者の社会的評価を高めることや,観光立国推進基本計画に掲げている「2011年までの国際会議誘致件数1.5倍増加」の目標達成に向け,国際会議誘致や開催のノウハウや経験を支援する目的で2008年度より設けられ今年が3回目の実施となった。
「第4回世界トライボロジー会議」は,2009年9月6日~11日までの6日間,京都市にて開催され,世界中のトライボロジー分野の科学者や技術者が集い,先端の研究と技術開発について議論された。参加国数は41ヵ国1地域,1,546名(内,海外529名)が参加した。受賞の理由は併催の技術展示会を無料公開し,延べ7,000名が来場,一般来場者880名の中には小中学生が280名含まれる等,当該分野の市民への理解を促進した点や2002年度ノーベル物理学賞受賞の小柴 昌俊 東京大学特別名誉教授の特別講演や4件の基調講演を市民公開講座とし,当該分野の市民への理解を促進したこと。またレセプションなどにおいて香やお茶の体験コーナー,舞妓による舞踏など開催都市京都の魅力を発信したことが評価された。授賞式では,受賞者を代表してWTC2009実行委員長の木村 好次 氏(東京大学・香川大学名誉教授,写真右)が,「リーマンショックや円高など日本で国際会議を誘致・開催することが難しい中,関係各位の多大な協力に感謝している。受賞理由に官民の協力という点が挙げられており,WTCでも日本トライボロジー学会と共に日本学術会議の共同主催,文部科学省や経済産業省の後援,また展示会やレセプションなどでの京都府や京都市など地域の諸団体の協力や京都の魅力が貢献したお陰。また京都を中心とした地域の方や子供たちに省エネや環境技術の基盤であるトライボロジーを認識して頂いたことが最大の貢献だと思う」と述べた。(’10 12/15)