日精樹脂工業は,ドイツ・アーヘン工科大学IKV(Kunststoff Verarbeitung研究所)と連携し,プラスチックの環境循環(リサイクル)をテーマとした共同研究を開始した。
同研究は,同社が推進するESG経営およびTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく気候変動対応戦略の一環として,環境負荷の低減とSDGs(持続可能な社会の構築),そしてこれまでの使い捨て型のリニアエコノミー(作る→使う→捨てる)に代わる,使用済みプラスチックを資源として循環させるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に貢献する技術開発を目的としている。
同研究では,リサイクル樹脂の高精度成形技術の確立,成形工程におけるエネルギー使用量の最適化,AIによる不良品排出の最小化など,製造プロセス全体の脱炭素化と資源循環の高度化を目指す。これらの取り組みは,SBT(Science Based Targets)に準拠した温室効果ガス排出削減目標の達成にも直結するものである。
IKVは,産業界や研究機関と連携し,プラスチックの持続可能な利活用と環境負荷低減に向けた先進的な研究を推進する世界有数の研究機関。研究開始にあたり日精樹脂工業は,グループ会社であるイタリア・NEGRI BOSSI(ネグリ・ボッシ)の電気式射出成形機「NOVA5e180T」およびリサイクル研究用周辺装置をIKV研究ラボに設置した。同成形機は,型締力180tのモデルで,リサイクル材を用いたサンドイッチ成形を可能とするホットランナ・バルブゲートシステムを搭載している。









