2025年5月21日

ランクセス,20周年を迎えた特殊化学品メーカーとしての歩みと事業活動に関する記者説明会が開催される

アーステック

ドイツの特殊化学品メーカー,ランクセスの日本法人ランクセス(代表取締役社長:米津 潤一 氏)は,2025年4月17日(木)に都内で記者説明会を開き,20周年を迎えた特殊化学品メーカーとしての歩みと事業活動を発表した。

米津 社長は説明会で次のように説明した。「ランクセスは,2025年1月に20周年を迎えました。これまでENERGIZING CHEMISTRY(化学を活性化する)というスローガンのもとに,事業のトランスフォーメーションを推進して参りました。

三つのセグメントが中核になって世界32ヵ国,従業員約1万2,000人規模で2024年度の売上高は64億ユーロ,日本円で約1兆円です。

2004年にバイエルから独立してから合成ゴム事業を中心とした事業展開から,ゴム危機による事業の売却,特殊化学品へのトランスフォーメーションによりM&Aを繰り返し潤滑油添加剤,難燃剤のマーケットリーダーになることが出来ました。2020年から2023年はコロナやロシアのウクライナ侵攻や様々なことに直面しました。特に欧州の化学メーカーとしては,エネルギー危機を経験することになりました。2023年にはそういった状況を打破するために「Forward!」というアクションプランを立て,事業の再構築を行ないました。

そして,ポリマー事業を売却することで真の特殊化学品メーカーへとトランスフォーメーションを成し遂げました。この20年のポートフォリオの変革で景気変動に左右されにくい事業体制の構築ができ,同時にこのトランスフォーメーションでCO₂の削減に邁進することもできました。

ランクセスはコンシューマープロテクション,スペシャリティアディティブス,アドバンスト中間体の事業ポートフォリオに9つのビジネスユニットで成り立っています。特殊化学品分野に特化して,それぞれのビジネス領域でトップ3メーカーの一社というポジションです。

2024年度のグローバルでの売上高は稼働率の向上,コスト削減策による収益の大幅改善となりました。ポリマーや潤滑油など添加剤のスペシャリティアディティブスでは全てのビジネスユニットで販売量が増加したものの原材料およびエネルギー価格の低下を反映し,販売価格の低下により売上高22億900万ユーロで前年比5%減でした。一方,特別項目を除くEBITDAは稼働率の向上,コスト削減策により,前年比9%増の2億2,700万ユーロでした。

日本市場はグローバル企業が世界各地へ展開する製造拠点として重要な役割であり,ランクセスの豊橋事業所では国内のゴム添加剤製品の原材料の保管や品質管理ラボとして,川崎テクニカルセンターでは微生物制御分野の高度な試験能力を装備して幅広い業界に対応しています。

2025年度は,逆境が続きますがすべてのセグメントで業績改善を見込んでいます。」と同社の事業や業績について説明した。

米津潤一社長-ランクセス20周年記者説明会
写真1 米津潤一社長

また,記者説明会終了後にはルブリカント・アディティブス・ビジネス担当の長谷川 亮太 氏,瀬戸 なつみ 氏に潤滑油添加剤事業について話を伺った。

「昨年から極圧添加剤の「アディティン®(Additin®)」製品群に自社の持続可能性認証ラベルである「スコープブルー(Scopeblue®)」を付与した淡色硫黄系極圧添加剤を上市しました。この添加剤は淡色で臭いが少なく,主に金属加工用の潤滑剤に使用できます。金属表面の摩耗を低減し,高圧などの過酷な条件下でも金属表面の凝着を防止する効果があります。また生態毒性に関する優位性を有するため,塩素化パラフィンの代替として浸透しつつあります。

現在,国内では金属加工油向けに油剤メーカーを中心に紹介を行っております。また,作動油等の工業用潤滑油向けに添加剤パッケージ製品もラインナップしており,お客様での用途,ご要望に合わせて潤滑油添加剤の提案を行っております。」と環境対応に貢献する新製品について紹介した。(’25 5/21)

ルブリカント・アディティブスの長谷川亮太氏(左)と瀬戸なつみ氏(右)-ランクセス20周年記者説明会
写真2 ルブリカント・アディティブスの長谷川亮太氏(左)と瀬戸なつみ氏(右)

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