出光興産は,燃料油の配車計画の作成業務に,AIと最適化モデルを活用した新システムを本格導入した。これまで配車計画の立案には計画配送を含め,様々な条件を考慮する必要があり,配車担当者が多くの時間を要してきたが,今回同システムを導入したことで,配車時間を短時間で作成できるようになり,配車担当者の練度にかかわらず,配車計画の質を維持できるようになった。今後は約70名の配車担当者全員が同システムを利用して,配車計画の作成時間の25%削減を目指す。
同システムは,アクセンチュアと共同で開発した。実証段階から配車担当者が参画し,プロトタイプを作成してユーザーの意見を取り入れ都度改善していく,「アジャイル開発」を採用した。主な機能は,
- 需要予測(AI)
各SSのレギュラーガソリンや軽油など油種ごとの販売量を季節や曜日などの条件ごとに学習することで,精度の高い需要予測を行い,計画配送先の在庫安定化に寄与する。 - 計画立案(最適化モデル)
需要予測やSSの在庫量などの情報をもとに,SSごとに最適な計画配送を作成。計画配送に加え,特約販売店などが発注するオーダーも含めて積み合わせ候補を作成する。 - 配車最適化(最適化モデル)
積み合わせ候補とタンクローリーをマッチングし,配送時間や車両サイズなどの条件を考慮した配車計画を作成する。 (’24 2/12)