潤滑油協会,全国石油工業協同組合,全国工作油剤工業組合,日本グリース協会,全国オイルリサイクル協同組合の潤滑剤関連5団体は,2025年1月16日(木),アルカディア市ヶ谷(東京都千代田区)で合同賀詞交歓会を開催した。
潤滑油協会の石川 裕二 会長(写真1)は,挨拶の冒頭で「戦争に燃料や潤滑油が使用されていることは許せない。米国の次期大統領がトランプ氏となったことで外交における色々な問題が懸念される。第一次トランプ政権時の化石燃料重視の政策を踏まえ,今後の気候変動政策やエネルギー政策においても世界的に大きな影響があるものと考えられる。原油価格の推移についても注視する必要がある」と世界情勢について述べ,2024年4月のロシア向け輸出禁止措置の中に自動車用エンジンオイルが含まれていることについて「相当な打撃を受けている専業メーカーも多いと思われるので,影響を緩和する何らかの対応を求めたい」と述べた。2025年の同協会の注力事業としては,(1)BCP(事業継続計画)の勉強会,保安防災研修会の開催や関連情報の収集,提供(2)潤滑油試験の安定向上のため,潤滑油試験の照合試験や認定証の発行,技術研修会の実施など潤滑油関係従事者の能力向上(3)カーボンニュートラル(CN)への対応,の3点を挙げ,CNへの対応については「潤滑油業界でもCNへの対応が求められていることから,今後は潤滑油の安定供給の確保とカーボンニュートラルへの対応の両立が大切となる。日本では2019年10月に低粘度エンジンオイル『JASO GLV-1』を策定し市場導入が開始された。廃油を集めて不純物を取り除きベースオイルへ再利用する基油再生についても進めていく。資源エネルギー庁の委託事業として2024年度中に,『我が国の潤滑油産業のためのカーボンフットプリント(CFP)算定・削減貢献量算定ガイドライン』と,『潤滑油業界のCNロードマップ』を策定する」と述べた。
中締めでは,全国工作油剤工業組合の四元 大計視 理事長(写真2)が「2025年問題として生産年齢人口が減少していく。また,賃金引上げや配送コストの問題など経営者の舵取りが難しくなっている。できる限りコストを安く,色々なことができるよう潤滑油5団体をはじめ,関連諸団体と連携をしてこの業界を盛り上げていきたい」と述べ,最後に「エイエイオー!」の掛け声で締め括った。(’25 1/22)