出光興産は,京都大学発のスタートアップ Symbiobe(シンビオーブ)社と,バイオ・ライフ分野における新規事業創出と協業(以下,同PJ)に向けた基本合意書を締結した。同PJは,光合成微生物の高機能化,培養,後処理に関する知見を持つSymbiobe社との協業により,光合成微生物の大量培養技術を確立し,CO₂などの温室効果ガス固定とグリーンバイオ資材製造の社会実装を目指すものとなる。これに伴い,実証設備を出光100%子会社である西部石油敷地内に導入する。
出光は,高機能材事業の重点領域の一つとして「バイオ・ライフソリューション」を設定しており,微生物の代謝を活用するバイオモノづくりの事業化を検討している。温室効果ガス固定とグリーンバイオ資材製造の社会実装のためには,生産効率の高い菌の開発,原料確保,大規模化が求められる。今回の基本合意書締結で大量培養を目指すのは,光合成を行うことで温室効果ガスからアミノ酸などを製造する微生物(紅色光合成細菌)。微生物開発に高い知見を持つSymbiobe社と石油化学で培ったプロセス技術とスケールアップノウハウを持つ出光の協業により,紅色光合成細菌の大量培養技術の確立を目指す。(’24 7/24)