出光興産,錦湖石油化学(KUMHO PETROCHEMICAL),住友商事の3社は,アジア市場におけるバイオマス化学製品のサプライチェーン構築と発展を目指し,バイオマスナフサ由来のスチレンモノマー(以下,バイオマスSM)の製造ならびにバイオマスSMを原料としたソリューションスチレンブタジエンゴム(以下,バイオマスSSBR)の製造に関する基本合意書を締結した。バイオマスSSBRは,スチレンモノマー,ブタジエンから作られる合成ゴム。耐摩耗性,機械強度などに優れ,自動車用タイヤ,ホース,防振ゴム等,さまざまな分野に使用される。同事業では,出光興産がマスバランス方式で製造・供給するバイオマスSMを原料として,韓国最大の合成ゴムメーカーである錦湖石油化学が高機能タイヤの原料となるバイオマスSSBRを製造し,住友商事がサプライチェーン構築全体のマネジメントを実施するとともに,バイオマス製品のマーケティングを担う。バイオマスSSBRは2024年中に生産開始予定。
バイオマスナフサは,植物由来の原材料などから製造されるため,石油由来のナフサと比べてCO₂排出量を抑制することが可能となる。同事業を通して3社は,化学産業のCO₂排出削減を目指す。(’23 7/5)